表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/485

 第二十一話 襲撃


「ホーリーライト」


 窓を出るときに、目くらましを軽く放つ。関係無い人ごめんなさい。


 アナの影に怯えつつ、何も考えずつっ走ったら、いつの間にか見知らぬ人気の無い所にいた。どこかも分からない。いつもの男状態の強さ故に、すっかり油断していた。


「ヒヤッハー、お姉ちゃん、俺たちと楽しい事しよーぜ!」


 気がつくと、後ろには異様にマッチョなモヒカンが三人もいた。

 そりゃそうだ、スラムにメイド服を来た美少女がいたら、襲ってくれと言ってるようなものだ。


 僕は、逃げだすが、スキルを発動する間もなく軽く捕まってしまう。結構強いぞこいつら。


「離してくださーい!」


 遠くまで届くように出来るだけ高い声で叫んだ。この際アナでもいいから助けてくれ。


 ああ、暴漢に捕まってる美少女を助けるシチュエーション。そこに颯爽と現れ、ぶちのめしてフラグを立てる。そういうチャンスなのに、羽交い締めにされてるのは美少女の僕……なんてこったい。


「うひょっ、いい眺めだな。ふっとい乳しやがって!」


 モヒカンAが、手をわきわきしてる。揉まれてたまるか! 僕ですらまだ揉んでないのに! 違うってばさ。


「そこまでだ! 悪党! その子を離すんだ!!」


 よく通るまるで役者の様な声がする。見ると若い男性だ。長いサラサラな金髪に、180㎝は超えてる身長。革の部分鎧に長剣を背負っている。


 キラッ!


 微笑みの中に白い歯が光る。


「きもっ!」


 ついつい口走る。ちょっと、金髪くんの表情がかげったけど、すぐに立ち直った。


「なんだぁ? 兄ちゃん。関係ないやつは引っ込んでな!」


 モヒカンBが凄む。あのー、あなた達も僕とは無関係なんですけど……


「痛い目にあいたくないなら、彼女を離して消えろ!」


 金髪くんは高らかに宣う。


「やっちまえ!!」


 僕を羽交い締めにしてる、モヒカンCが叫ぶ。


 モヒカンAが、殴りかかる。金髪くんはそれをかわし、殴りとばした。


 Bが殴りかかるのをかわしたが、膝蹴りをくらい、くの字に折れ曲がりながら、口からなんか垂れながしてる。それでも持ちこたえ、Bを蹴りとばした。なんて泥くさい戦い方だ。


「うっ!」


 Cが僕を地面に突き倒した。顔を上げると、金髪くんは、モヒカンズに囲まれている。Cの蹴りをまともにくらい、崩れ落ちる。あとは、三人から、がしがし蹴られてる。おいおい、弱すぎるだろっ。見かけ倒しか?


「今だ! 逃げろ!!」


 金髪さんが叫ぶが、どうも足を捻ったみたいでうまく立ち上がれない。


 モヒカンズが僕に気を向けた隙をついて、金髪さんは一人の足を取って押し倒し、馬乗りになって、がんがん頭突きを食らわせる。他の2人に蹴られてるがお構いなしだ。やっと一人は伸びたけど、金髪くんは後ろから首に腕を回される。


「ギャッ!」


 モヒカンが悲鳴をあげる、金髪さんが腕に噛みついている。なんでもアリだな。

 金髪くんはその腕をたぐり、逆に首を絞める。

 ラストモヒカンが容赦なく蹴るけど、怯まない。


 二人目を倒すと、つぎは三人目の足を取り、倒し、馬乗りになる。子供の喧嘩みたいに、上から殴る殴る頭突きで、ラストモヒカンは動かなくなった。


「おじょうひゃん! おへばはありましぇんか?」


 金髪さんは立ち上がり僕に手を差し伸べる。


 口からは、血とよだれをたらし、髪はぼさぼさ、端正だった顔はボコボコ。けど、僕は『きもい』って言ったのは、悪かったと思った。


「……ありがとう……」


 最高の笑顔を浮かべて、金髪さんが出した手を、僕は掴んだ。



 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ