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 第一話 酔っ払ってる先生


「あなたね! モモを非行の道に連れ込んだのは!」


 シェイドの部屋に行ってマリーに戻って外に出て帰ろうとしたところに、道着と袴の合気道のような格好をした女性が現れた。女性にしては長身で金髪、僕達の学園の担任のクレア先生だ。嫌な予感がする。逃げよう!


「グラビティ・ゼロ!」


 僕は重力をカットして走る。瞬間、首根っこを掴まれる。足が宙をかく。速い!

僕はにゃんこみたいに連行されてった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「そうなのね、大体の事は解ったわ」 


 クレア先生がニコニコしながら、僕たちに向かって言う。なんと、クレア先生は、モモさんのお姉さんだそうだ。どうりで、クレア先生を見たことがあるような気がしたわけだ。髪の色は全く違うが、よく見ると顔の色んなパーツが似てる。


 今、僕とモモさんは、道場に並んで正座させられている。隣をみると、モモさんの顔が心なしか赤い。それに、僕と目を合わせてくれない。なんか悪いことしたかな?


 ちなみに、モモさんは、クレア先生にさっきの事を説明している。チューの事以外は。


 無難なところで、僕はたまたま通りがかったことにした。間違ってはないかな?


「マリーちゃん、ごめんねー、モモが変な格好してるから、勘違いしちゃって! あと、モモは今後は巨人になるときは、まず服を全部脱ぐこと! 制服高いんだから!」


「はい、ごめんなさい。けど、裸は恥ずかしいです」


「じゃ、下着だけはいいわ! けど、破いたら小遣いで買うこと! わかった!」


「はい!」


 モモさん姉妹が会話してるが、微妙になんかずれてる気もする。


「マリーちゃん! 女の子があんまりやんちゃしないの! 顔は泥だらけ、髪はぼさぼさよ! 猿と相撲でもしたの?」


「猿じゃないです。人とですよ!」


 なんかペース狂うな。どういうシチュエーションで、猿と相撲をとるのだ? そもそも街に猿出るのか?


「女の子が外で相撲なんかしないの!

するならせめて道場でしなさい。そんなに相撲したいなら先生がいつでも相手になってあげるから」


 先生が豪快に四股を踏む。この人、頭、大丈夫なのか?


 顔が少し赤いし酒でも飲んでるのか?


「先生。すみませんけどしてたのは相撲じゃないです。もっと激しい事してました」


「相撲より激しいって! モンゴル相撲!」


 確かにモンゴル相撲の方が激しい。この世界にもモンゴル相撲あるのか? 


 けど、相撲はもういいだろう。


 そんなに力士が好きなのか?


 先生の顔が近づいてくる。うん、酒臭い酔っ払ってるな。からみ上戸なんだろう。どうにかして切り抜けないと……


「相撲じゃなくて、ちょっとした立ち合いです」


「立ち合いなのね。女の子がそんな事しないの。そんなボサボサな格好で街を歩くのはみっともないわ。そうよ、マリーちゃんとモモと一緒にお風呂入っていきなさい」


「ええーっ!」


 モモさんが絶叫する?


「女の子は身だしなみが一番! 丁度わいてるから。行って来なさい!」


「「はい!」」


 モモさんと僕は立ち上がる。なんか押し切られてしまったな。けど、先生には逆らうと怖い気がする。僕はモモさんに手を引かれて、お風呂場に向かった。


 読んでいただきありがとうございます。


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