第二十四話 学園のクラス
学園高等部のエンブレムの色は、クラスにより色分けされている。Aは金、Bは銀、Cは黒、Dは赤、Eは灰色、Fは焦げ茶色、Gは薄茶色だ。元々は同じ位の能力の者を同時に指導するための便宜上のものだったけど。実際は生徒間で階級を発生させる原因になってるそうだ。サリー談。今日もサリーは、瓶底眼鏡をしている。
僕とサリーは売店で教科書一式を買って、職員室へと向かった。学長先生にあとは担任の先生と打ち合わせるように言われてたからだ。
職員室は職員室って感じだった。机が並んでいて、先生たちが思い思いの事をしている。そばにいる先生に1年G組の担任の先生の席を聞いていく。
「すみません、1年G組の担任の先生ですか?」
先生はカリカリ懸命に書き物をしている。顔を上げて僕の方をみる。
「はいー! 私、G組の担任のクレアです!」
金髪碧眼、襟のとこ位で髪を切り揃えた、ワンレンボブって言うのだろうか、めっちゃにこにこしてる。めっちゃ美人だ、けど、どっかで見たような?
「あ、マリーちゃんとサリーちゃんですね!」
先生は立ち上がる。小顔だから小さく見えてたが、立ち上がると、見上げる形になる。170センチ位あるのでは? モデルさんみたいだ。にこにこして僕を見るが、体に電流が走った様な気がした。天敵! 天敵だ! 勝てない! 絶対に勝てない! 蛇に睨まれた蛙の気分がよく解る。父さんや母さんと対峙した時のような感覚だ。間違いなく人外だ!
「は、はじめまして……マ、マリーです……」
「マリーちゃん緊張してるのー? 珍しいわね、サリーですー!」
僕たちは先生について教室へ向かう。軽く世間話を先生とするが、しっかり良識人みたいだ。学園の高等部卒で、2年程実務について、夢だった教員になったそうだ。てことはまだ二十歳!
「マリーさんとサリーさんですー! 皆さん仲よくしてくださいねー!」
先生がクラスメイトに僕たちを紹介する。
「うわ! かわいい!」
「二人とも乳でけー!」
「嫁にしたい!」
なんか、頭悪そうなつぶやきが聞こえる。さすがG組!
「それでは、自己紹介お願いしますー!」
先生がにこにこ言う。
「マリーです。得意なのは回復魔法です。よろしくお願いします」
キャットを被って、にこっとする。
「サリーです。魔法使いです」
サリーがボソッと呟く。陰キャ続行中ですね。
「おはよう! マリー! サリー! 同じクラスなのか! よろしくな!」
アルスが立ち上がり手を振る。
自由だな!
相変わらず。
そして、いきなり筆記テストだった。
テスト。
テスト。
テスト。
学食でご飯。
テスト。
でやっとホームルームで終了……
ハードな一日だった。もう15時半だ。
待ち合わせで16時指定なのは、学校が終わるのがそれくらいの時間だからなのか。シェイドの部屋でキラになって南門に向かう。
「あたしは、図書室にいくわー」
サリーと別れ、南門についた。早いけど、もうモモさんはついていた。
「では、行きましょうか……」
なんか果たし合いに行くみたいだな……
僕はモモさんについて行く。
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