第四話 シェイドの部屋
「汗流したい!」
起きるなり開口一番、サリーは僕の肩を揺すり起こす。ベッドに潜り込んでこなかったのは、ウニがいたからか?
久しぶりの独り寝だった。とはいっても同室者はいるが。いつも誰かに邪魔され続けたのでなんか物足りない。しかも、どうやら今は魔力がマックスっぽい。今、女性に直に触れたら、間違いなく男に戻るな。危ない危ない。サリーにはバレてるけど、ウニには内緒にしていた方がいいだろう。まだ、どんな奴か詳しく知らないからな。
今は日の高さから、多分正午くらいだろう。うん、若干寝過ぎた。
「サリーやばい! 溢れそうだ、触られたらやばい!」
僕の言葉にウニが反応する。
「朝から何やってるのですかーっ? 子供の前で!」
む、言い方が悪かったか?
「魔力が溢れそうでやばい! ウニ、なに勘違ってんだ? 子供のくせに」
「体は子供でも心は大人です!」
「それじゃ、大人のウニ君。お姉さんと銭湯にいきましょう。マリーちゃんお小遣い頂戴」
「ああ」
僕はサリーに小金貨5枚と小銭を渡す。僕も汗を流したいところだけど、まだなんとなく気怠い。もうしばらくゆっくりしていたい。
「うわ、気前いいわね。ありがとう」
サリーは頭を下げる。
「まあ、他にもなんかあったら使っていいよ。それより、ウニ、男湯に入れよ!」
「あ、当たり前じゃないですか? 大人ですから……」
残念そうな響き。間違いなくウニは女湯入る気だったな。
「じゃ、マリーちゃん行ってくるわねー」
サリーとウニが手を繋いで、部屋から出て行く。少しジェラシー!
「ああ。サリーと手を繋ぎたいー! サリー! サリー!」
僕はベッドに飛び込み枕を抱くきジタバタする、
「しょうがないわねー!」
サリーの声?
柔らかい手に僕の手を摑まれる。ひっぱられて、ベッドの下に、柔らかいものに沈むかのように引きずり込まれる。
ドクン!
ドクン! ドクン!
まただ来やがった。
僕は握られた手を離して苦しみにのたうちまわる。頭まで引きずり込まれて、闇に飲まれる。男から女より、女から男の方が体が痛い! なにが起こってるかわからないけど、とりあえず闇の中服を脱ぐ。ゆっくり僕は床のようなものに着地した。
「ライト!」
サリーの声で辺りが明るくなる。
「サリーと思ったか? シェイドだよ!」
十畳位の部屋に机と椅子とベッドだけがあって、ベッドに、黒い肌に緑の髪のサリーが座っている。シェイドだ!
「ようこそ。シェイドの家に歓迎するよ」
サリーより、蠱惑的にシェイドは微笑んでいる。
読んでいただきありがとうございます。
みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




