第十五話 マグロ変身
また、まるで、スイッチを切り替えたかのように、辺りの景色が変わる。元の喧騒に包まれたギルドのテーブルだ。
「あ、ベル様、どうしたのですか?」
マグロが立ち上がってベルを揺する。ベルは机に伏して眠ってるかのように見える。
牛男は元の牛顔の牛男だ。ジュースを飲んでる。
僕たちはギルドのテーブルに座っている。
先ほどまでいた変な草原は静寂に包まれてたが、辺りは喧騒だ。
さっきのアレは夢だったのか?
けど、僕の手にはクリスタルみたいなのがある。
「もう、ベル様こんな所で寝て。そんなに夜励んだんですか?」
テーブルのギルティ君の目が光る。
「あ、セーフですよね。セーフ?」
マグロはあたふたしてる。もう喋んなければいいのに。
僕たちは、情報収集がある程度一段落ついたので、ギルドを後にする。ベルは僕が重力操作で軽くして背負い、牛男とマグロは手を繋いでいる。仲良しだな。ん、背中の感触が柔らかい。
「げっ、ベルまた下着つけてないな!」
「ベル様。パンツも穿いてないっすよ!」
マグロがいつの間にか牛男の手を離れ、僕の後ろに回って、ベルのスカートの中をのぞき込んでる。
「マグロ! ギルティ!」
牛男の持ってるギルティ君のビームがマグロにささる。
「あいあいあいあいあー! 少し気持ちいいかも!」
マグロそっちは駄目だ!
「マグロ。お前に重要な任務を与える。お前は今日からベルの下着係だ。毎朝ベルをチェックするように!」
僕は、ベルをそばのベンチに座らせる。危なかった、あと少しで、ベルのお尻とか丸出しで、通りを歩くとこだった。ダミーバックから出してるように見せて、大金貨1枚とベル用パンツを出す。大金貨はマグロに報酬として渡す。
「うわ! 子供には過ぎた小遣いですよ! ありがとうございます。任せて下さい。いかなる時もベル様が下着つけてるか確認します。ていうか、マリー様、いつでもベル様のパンツ持ってるのですね! ベル様って露出趣味なんですね!」
「んー。少し違うな、エルフは野蛮な奴が多く下着つけたがらないんだ」
さらにダミーバックからマントを出す。
「マリー様、それは不自然すぎるでしょ。収納モロバレですよ」
ベルの下半身をマントで隠す。
「マグロ、パンツ穿かせろ」
「え、いいんですか? お金貰ってこんなご褒美までもらって、じゅるり!」
うわ!
がちでよだれ垂れかけた!
こいつも危険生物だし!
危険生物って言ったら、こいつ人間以外にも成れるって言ってたような?
「その前に、お前の変身するの見たいな。マグロに本当になれるのか?」
「いいですよ。少しそのマント借りていいっすか?」
マグロは了解もとらず、ベルにかけてるマントを取りはおる。マントが地面についてる。マグロはもぞもぞすると、マントからワンピースを出して、ベンチにかける。ん、何脱いでんだ?
「3・2・1・フィッシュ!」
マグロから黒い霧みたいなのが噴き出し膨れる。霧は固体化し、そこにはマグロに人間の手足を生やした面白生物がいた。
「すんません、マントべとべとにしちゃいました」
「いいよ、僕が頼んだんだし」
マグロはマントを後ろに流し、ポーズを決める。
カーテシーだ! スカートははいてないけど。
おお格好いい!
「ん、マグロ、お前下着は?」
「ないんですよ。露出趣味じゃないですよ」
魚なのに喋れるのか。
「ありがとう、じゃ戻ろっか。目立ちすぎる」
マグロは、マントで前を隠して、少女に戻り。ワンピースをとってもぞもぞ着ると、マントを返した。
面白生物と、可愛い幼女のギャップありすぎだ。
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