第十三話 婚約
「どうして……」
思わず呟いてた。追いかける事も出来たはずだけど、サリーから言われた事がショックだった。僕たちは、とりあえず、ギルドの空いてるテーブルにつく。
「あまり感じ良くないですね! マリー様なんかまた女性の気に触ることでもしたんですか?」
マグロがぷんぷんしてる。人聞きが悪いな。僕がいつも女性に嫌がる事してるみたいじゃないか。けど、思い返してみると……
「思い当たることありすぎる……」
クレイジー仮面、あと僕が連れてきたベルのデブ魔法。普通の女子なら逆上して当たり前だな。
「マリー、サリーはほっとくのかしら。マリーには今はベルとリナと牛男がついてるわ!」
「マグロ! マグロもついてるわ! ち○ち○はついてないけど」
「マグロ。ギルティ!」
「あいあいあいあいあーっ!」
またマグロが余計な事言ってギルティビームを喰らってる。学習しないのか?
コイツは自分でもマグロって言ってるから、こいつの名前はマグロ確定だな。
「あら! マリーじゃないの! なにしょぼくれてんのよ!」
声の先にはバシッとしたスーツを着たモミがいた。仕事出来ます感がはんぱない。残念な事に中身は変態のポンコツだけど。
あ、そうだこいつギルド職員が本業だったっけ、飲んだくれのニートかと最近は思ってた。
「なあ、モミー。お前、サリーについてなんか知らないか?」
だめもとで聞いてみる。こいつ来たばかりのはずだしな。
「あんた、知らないの? 彼女、超巨大魔石をギルドに持ち込んだのよ! それをオークションにかけて、一財産築いたって話よ。それで、前々からつきまとってた、なんとかって言う伯爵のプロポーズ受けて、今は南のなんとかって城に住んでるらしいわ!」
『なんとか』という言葉が多いのはご愛敬だ。こいつの記憶力はダンゴムシ並みのはずだからな。固有名詞は難易度が高すぎるのだろう。
「なんでそんなに詳しいんだ?」
正直モミを見直した。
「そりゃ、あたしも玉の輿的なものを狙ってるからにきまってるでしょ。じゃ、仕事中だから」
「まって、あとの2人は?」
「多分学校じゃないのかな? みんな学生なんでしょ? じゃねー、バーイ」
モミは機嫌良さそうに。手を振ってスタッフオンリーの扉に消えていった。
……という事は、サリーは結婚してるのか?
「あなたが、マリーさんですね」
知らない男が、話かけてくる。面倒くせー、また、ナンパか?
「この手紙を渡してと頼まれました」
僕は手紙をうけとる。開けて見てみる。
『マリーへ、バーミング城にロザリオをもってきて欲しい。サリー』
急いで書いたような筆跡だ。
なんなんだ?
会わないだの来いだの、正直訳が解んない?
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