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 第十話 軟禁


 僕たちは軟禁なう! 軟禁といえば南京玉なんきんたますだれ。なんとなく下品なその言葉を思い出す。南京玉すだれってなんなんだろうか?


 どうでもいい事をとりとめとなく考えてるのは、正直暇なのだ。


 あの後、出来るだけ沢山の人を呼ぶようにデブに言った。初仕事ショーは今日の19時開催予定で、僕は逃げ出さないように、この部屋に連れてこられた。地下にある1室でご丁寧に見張りもついている。ここにはテーブルとソファしかない。


 まずは、収納からすぐ食べれる物を出して食べた。まだ、お昼くらいだから、結構時間がある。とりあえず本当にすることないから、もう寝よう。ベルに常に魔力を吸うように言ってテーブルに伏して仮眠を取る。


 腹立たしい事に悪臭で目を覚ますと、テーブルの上は大小様々なアンブロシアに埋め尽くされてた!


「ベールッ! なにやってんだ!」


 僕は少し怒る。まあ多分ヤツも暇だったんだろう。デブ状態だったら懲罰ものだけど、今はめっちゃ可愛いからついつい甘くなってしまう。


「練習してたのかしら! 少しだけ大きいの出せるようになったわ!」


 ベルが嬉しそうに言う! 主語をつけようね!


 牛男はこういう時でさえも腕立て伏せをしてる。さすがだ。



 バタン!



 ドアを開けハゲが入ってくる。


「なっ、お前ら何やってんだ! テーブルにう○こするとは、さすが公開処刑を喜んで受けただけあるな! けど、動物じゃないんだから、う○こはトイレでしてくれ、誰が掃除すると思ってるんだ!」


 ハゲはぷんぷんしてる。暇なので、収納から箸を出して、ひょいひょいハゲにアンブロシアを投げる。


「うわ! ばか! やめっ! う○こ投げるな! 猿かお前は!!」



 ペシッ!!



 大きめの一つが頭にクリーンヒットする! 綺麗にちょんまげみたいに頭に乗る!


「キャハハハハッ! かっこ良すぎるかしら!」


 ベルが腹を抱えて笑う! ベルにここまでうけたの初めて見た! やはり頭の中はお子ちゃま。笑いのツボが低レベルだ。


「ハハハッ!」


 牛男でさえも笑ってる。牛男は笑いのハードル高いから僕は満足した。


「お前ら! 話を聞けーーっ!」


 ハゲが、切れた。まだ甘いな。


「グラビティ・ゼロ!!」


 僕は箸でアンブロシアを掴み重力をカットする。それを投擲すると、重量ゼロからの加速なのでまるで弾丸だ! この時の思いつきで、僕の攻撃のバリエーションが増えた。ありがとうハゲ!


「フゴッ!」


 あやまたずハゲの口にアンブロシア、しかも結構デカめが突き刺さる。


「キャハハハハッ! ヒャウッヒヤゥ!」


 ベルはツボったみたく、呼吸困難ぎみだ!


「ウハ! ハハハッ!」


 牛男のバリトンボイスも響き渡る。


「臭っ! 苦っ! あ、意外に美味い!」


 このハゲ、人として闇落ちするのでは?



 読んでいただきありがとうございます。


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