第九話 遊戯開始
「いかさまは一切禁止! 頼れるものは各々の運のみだ!」
アナが目を輝かせて皆を見渡し宣言する。
これはつまり訳すとこういう事だろう。
『今からあらゆるものを使ってばれないように、いかさましてやる。目をかっぽじってよく見とけよ!』
と、こういう事だろう。
母さんは僕が落ち込んでるだろうと思って、アナの阿呆な話に乗ったのだと思うが、調子に乗るので止めて欲しい。
やるからには本気!
僕はまず考える。何を望むべきか?
皆を見渡す。アナ、ベル、牛男、モモさん。モモさんの胸に目がとまる。僕の心を黒い欲望が支配する。
生乳揉んでやる!!
主目的が決まった事でおさらいしてみる。
よく考えると夢のような状況だ。
僕の中では王様ゲームというものは、金髪サーファー風のパリピの兄ちゃんが、ビッチっぽい露出度高めのねーちゃんと、シャンパン飲みながらプレイしてるイメージだ。
それをこの僕がプレイする事になるとは!
美少女二人と!
まあ、牛とちんちくりんもいるが……
王様ゲームとはどんなゲームかおさらいすると、女の子と一緒にまずは普通にプレイして、皆で少しづつお酒を飲んでいく。
お酒がまわって、判断が鈍り楽しく開放的になったときに、くじを印とかがあるものにすり替えて、女の子にエッチな要求を思うように突き付けて、最終的にはいただいちゃうという、クソなゲームだ。
要は、アナのいかさまをかわしつつ、うまく王様になり、且つモモさんに要求をのませる。
これが僕のミッションだ。
「では、始めようか!」
僕は胸を張る。ぶるんぶるんと誇らしげに揺れる!
「「王様だーれだ!」」
皆で唱和する。くじは箸で、金属製のタンブラーに入れて引く形をとっている。
「やりたくない者は抜けてもいいぞ! まあ、臆病者のそしりを受けることにはなるだろうがな!」
アナの挑発で、全員参加する事になった。あと、エンドレスになる可能性があるので、10セットで終了を承諾してもらった。
「あっ、私、王様!」
モモさんが驚いた顔をしてる。かわいい!
「1番が2番の肩を揉む!」
さすがモモさん、ゆるゆるなクエストだ。
僕が牛男の肩をを揉む。牛男は嬉しそうだ。
「あっ、また私?」
また、モモさんだ。
「3番が2番の頭を撫でる」
アナがベルの頭を撫でる。
そのあとは、牛男、ベル、モモさんと王様が続き、ソフトな命令が繰り返される。
いい感じだ、普通に命令を実行しないといけない空気ができつつある。
前半戦終了!
これからが勝負だ!
「「王様だーれだ!」」
「ゲットー!! やっと私が王様だ!」
アナが天下を取ったかのようにドヤりながら叫ぶ!
「ハッハー! 一番が二番の生尻にキスをする!!」
やはりいきなりぶっ込んで来やがった!
それって誰得なのか?
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