第十五話 皆仲良く薬草採取
「みんなー、大丈夫かー?」
僕はそらぞらしい言葉とともに駆けていく。イメージは特撮ヒーローもので、怪獣や怪人などを倒した後にやってくる主人公だ。みんなのコイツ今さら来やがって感が再現度か高い。よし、バレてないな。
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あの後、我に返った僕は、止めどなく鼻血を出しつつ女の子に変身する苦しみを味わいながら浮遊し、ある程度遠くに着地して、できるだけ変身前と同じような服に着替えた。そして、合流。
みんなをタッチヒールで癒して薬草採取を再開する。
次は当然妨害禁止!
僕達は、黙々と薬草を採取する。
「暴走して、ごめん」
アナが、謝る。
「ベルもごめんなさい。グラトニーは本当のピンチにしか使わないかしら」
ベルも謝る。アンブロシアに続き、グラトニーも禁呪認定を受ける事になった。
黙々と薬草を採る、サリーが近づいてくる。
「……マリーちゃん、パンツ返して……」
サリーが小声で僕の袖を引く。僕はサリーに代わりに僕の新品を渡す。
「それで、我慢して、あれは鼻血で再起不能に……」
「え、鼻血? 大丈夫? そう、じゃ、それなら今度新しいの買ってねー!」
サリーはあさっての方向にに駆けていく。照れてるのかな? その表情は見れなかった。
「ご主人様、今回は、全くお役に立てず申し訳ございません……」
牛男も謝る。
「牛男は悪くない。悪いとすれば体型だけだ。運動しろ」
僕は牛男を慰める。
「マリー、何もしてないくせにに態度でかいな!」
アナ、お前が言うなお前が!
「でかいといえば、クレイジー仮面! あいつは何者なのだろう?」
アナが呟く。でかいで連想すな、はずいやろ。
「多分、イケメンよー。たまたま通りかかってよかったわー!」
サリーが白々しく言う。
「たまたま丸出しで、たまたま通りかかったのか?」
「アナ、女の子の下ネタは面白くないだけじゃなくて、なんか気持ち悪いそ。止めておけ」
アナに僕は真顔で注意する。
「善処する」
多分コイツは口だけで、善処しないんだろうな。
「それにしても、凄まじい奴だったな。私が2度も敗北するとは。また、1戦交えたいものだ」
アナが拳を握り締める。
「そうなんだ。そんなに凄かったんだ。僕も会いたかったなー」
僕も白々しく合わせる。
おお、なんかガチの変身ヒーローになった気分だ。
二度となりたくはないが!
「あんな状態で、物怖じしないなんて、変態の中の変態かしら!」
ベルが少し赤ら顔でまくし立てる。やばい、こいつ意識してしまう……こんな可憐な美少女とチュー……
「……」
モモさんはせっせと薬草を採っている。そういえば、モモさんは全く話さない。不機嫌なのだろうか?
「モモ! そろそろ機嫌直せよ!」
アナが黙々と薬草を採ってるモモさんの肩に手を置く。空気読め、モモさんはピキッと青筋をたてる。
「そうよ! モモの好きなアンブロシアイエローあげるから!! アンブロシア進化したのよ! お肉っぽいブラック、ノーマルなブラウン、穀物っぽいイエロー、調節できるのかしら!」
そのカラーリング止めて欲しい。もろに食べたものによるう○この色の変化とシンクロしている……
ベルがモモさんにアンブロシアを差し出す。その手をモモさんは弾く。
「アンブロシアの話は止めろ! もう、我慢出来ない! お前ら全員ぶっ殺す!!」
今度は、モモさんが暴走した……
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