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陸、海、知事三者会談

コーヒーの波がカップの内周を3周した頃合いで、今度はキンメル太平洋艦隊司令長官が口を開いた。


「この度の日本軍の攻撃で、奴等はピンポイントにウェーバー要塞及びバレッタ要塞を爆撃し、40.6センチ砲台4門が破壊されました。最大射程を誇った対艦攻撃の要の砲台です。更にダイヤモンドヘッドの観測所も破壊し、最後に行きがけの駄賃とばかりに陸海の司令部も爆撃されました。」


「そしてこのビラです。もうお分かりですな。この意味を。」


みな無言だ。何を話してよいのか、そこには後悔、諦め、怒り、様々な感情が入り乱れ、最善の一手が浮かばなかったのだ。


キンメル司令長官は続ける。

「現在、僅かに残った索敵機をオアフ島北西に飛ばしています。早朝の索敵機が未帰還だったのです。」


「何故それを言わなかった!」

ショート司令長官が激昂する!


「判明したのは全軍出撃のあとです。どのみち敵の主力は空母艦隊ですから、これを叩く方針に変わりはなかったでしょう。」


「ムッ・・」


「今にしてみると、北西にどれだけの敵が潜んでいるのか、考えもしなかった自分の浅はかさを後悔するばかりですがね。」


ジョセフ知事が恐る恐る聞く


「このビラを見ると、日本軍の上陸部隊がいるのですか?北西に?」


「おそらく、大艦隊とともにね。」


「そんな馬鹿な、距離は6000キロですよ!しかも日本なんていう技術も知識も無いアジアの小国で、国民は眼鏡をかけた近眼出歯の民族ですよ!?」


「そうだよ。その近眼出歯の民族に私達は徹底的にやられているんだよ。」


「最後に、ホワイトハウスにはビラの件も含めて秘匿無線で報告したところ、ホワイトハウスからは、古の盟約について至急調査しつつ、どのような手段をとっても防衛せよとの命令を受けています。」


ショート司令長官は立ち上がり眼光鋭く言い放つ!


「ならば!」

「ハワイ王家関係者からの聴取を急げ!場合によってはここまで連行しても構わん!」

「敵の規模はわからんが、敵の上陸に備えなければならん!まず始めに日系人のスパイどもを逮捕し、日系人を隔離する!奴等は我らの情報を盗みだし、敵の上陸に合わせて反乱を起こす手はずに違いない!」


「よって、まずは軍の半数をスパイ対策に当てる!知事も協力せよ!抵抗する者はスパイの可能性が高い!敵だと判断して構わん!大統領も手段を選ぶなと言っておる!何か異論はあるか!キンメル司令長官!そしてジョセフ知事!」


「やむを得ません。」

「わかりました。」


「敵の上陸があるとすれば、早くて明日だ!それまでに態勢を整える!」


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