第二次攻撃隊の帰還
しばらく待機していると、攻撃隊が帰還してきたようだ。艦が針路を変えて速度を上げはじめた。
「おい、見に行くぞ」
私は声をかけると、二人とも当然といった表情で答える。
飛行甲板に上がるタラップを登り、甲板の手前のところ、ギリギリ怒られない場所に陣取り、帰還する攻撃隊を見守った。
赤城からは零戦3機、九九式艦上爆撃機8機、九七式艦上攻撃機9機の計20機が出撃した。
一機、また一機と着艦してくるが、なかには弾痕が激しい機体、風防が割れて真っ赤に染まっていてとても正視できない機体もあった。
全ての着艦を見届けると、零戦2機、九九式艦上爆撃機5機、九七式艦上攻撃機5機の計12機が帰還した。8機はハワイの空に散ったのだ。
部隊員は整列し、護衛隊隊長の進藤大尉が南雲司令官に報告する。
「報告します!」
「攻撃隊隊長嶋崎少佐以下、攻撃隊100機は1145時、敵空母エンタープライズを含む敵艦隊を発見!同時に上空には、敵戦闘機が陸軍戦闘機も混じって30機以上待ち構えておりました!
空中戦のなか攻撃隊は突撃し、被害を受けつつも敵空母に爆弾3発、魚雷一本の命中弾を与えました!飛行甲板の破壊に成功しましたが撃沈には至らず、中破と推定致します!」
南雲司令官は悔しそうな表情を浮かべる。
「そうか、ご苦労であったな。敵は陸軍戦闘機を直掩に出してきたのか。それで我が方の損害は」
「はい!零戦6機、九九式艦上爆撃機12機、九七式艦上攻撃機25機、計43機の損失となります!
嶋崎少佐は無事ですが、機体の損傷がが激しく瑞鶴に帰投しております。」
「・・・そうか。」
司令官も参謀も顔を見合わせるが、声が出ない様子だ。
「各員ご苦労であった!部隊ごとに解散!別命あるまで休息とせよ。進藤大尉は疲れているだろうが、この後の軍議で詳細な話を聞かせてくれ、以上!」
淵田参謀が命ずる!
「伝令!軍議だ!淵田少佐以下、待機中の小隊長以上を集めよ!」
私も軍議に参加するぞ!




