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追撃

私は上空から空母レキシントンの爆発を見ていた。


大爆発で生じた衝撃波が愛機である零式艦上戦闘機に到達し、操縦桿と風防を振動させる。


見事な攻撃だった。

戦闘隊形を整えた九九式艦上爆撃機編隊は、雷撃隊に先んじて急降下爆撃に移った。


真珠湾攻撃時も見たが、改めてその見事な攻撃を目の当たりにした。

高度3000メートルから急降下を開始、上空から見たら米粒のような敵艦に一直線に向かって行くその練度の高さ!


最初の2発は敵空母の急速回頭で当たらなかったが、一発命中してからは糸で結ばれているように命中弾の連続!


飛行甲板はズタズタに引き裂かれ、活火山のように階下から炎を吹き出し、更に直撃弾が艦橋を破壊したところで、突然の大爆発だ!


凄まじい爆発に攻撃中の味方が巻き込まれてしまった。

あの爆発力は250キロ爆弾の威力ではない、格納庫の爆弾に誘爆したのだろう。


空母レキシントンは大爆発のあと、艦橋や飛行甲板等の上部構造は殆ど残っていない。下半分のみがかろうじて浮いているだけの浮舟となり、急速に速度を落とした。


急降下爆撃隊はレキシントンの破壊状況を見て、付近の重巡洋艦への攻撃に対象を変えた。


賢明な判断だ。250キロ爆弾の貫通力では、艦の下部装甲には届かない。あとの仕上げは雷撃隊の方が効率的だ。

しかも、重巡洋艦は速度を落とした空母に合わせ、自ら減速した。

空母護衛を優先させた結果だが、著しく回避能力は低下するので、我々としては願ったりの状況だ。


そんな緩慢な敵艦に対して、急降下爆撃隊は次々と命中弾を浴びせる!


弩貫唖唖阿吽!弩貫唖唖阿吽!弩貫唖唖阿吽!!!


重巡洋艦の対空砲が木っ端微塵となり、主砲が捻じ曲がる!


そして、上空からの攻撃に気を取られると、満を持して雷撃隊が突撃してくる。


敵の重巡洋艦群は急降下爆撃への対応で足並みも揃わず、爆撃の影響で対空砲も半減している。


九七式艦上攻撃機は、海上100メートル付近をほぼ最高速度の時速約370キロメートルで疾走する!


手始めに空母レキシントンには止めに左右6本の魚雷が突進し、重巡洋艦群にも次々と魚雷が放たれる!


敵艦隊付近は、魚雷という名の獰猛な人喰い魚の狩り場であった。





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