レキシントン轟沈
空母レキシントンの巨体は、波を掻き分け舵が急激に効き出す!
群群群群群群我亜!
私は急激なGに負けじと近くの手摺に捕まり体重を預けてバランスを取る!
急降下爆撃機の放つ音が甲高く、最接近を告げる!
避けろ避けろ!!思わず目を閉じ、強く念じる!!
雑爆ゥゥ!射ァァ!!
右側方に高い水柱が昇る!
「やったぞ!」「イェス!」
巧く回避したことで、艦橋内から歓声が上がる!
続いて後続機の投弾!
雑爆苦ゥゥゥ!射亜ァァァ!!
右側方至近に高い水柱が昇る!
また巧く避けた!
「・・・・・・」
歓声がない。皆が理解した。近い。次はやられる。
唾を飲み込む。
「総員ン!!衝撃に備えろォォ!!」
艦長が叫ぶ!私はただ力の限り手摺を握りしめる!
一瞬後!
弩貫唖唖阿吽!!!
凄まじい衝撃に襲われ、私は地べたに叩きつけられた。
クソ!やられた!私は周りを見渡すと、艦橋内の大半が倒れたが、操舵員など踏ん張った者もいる。
すぐに立ち上がり外を見ると、飛行甲板前部が捲れて火災が生じていた。
クソ!日本の野郎!私は叫ぶ!
「被害状況知らせ!」「爆発は格納庫内の模様!火災発生!」
「作業チーム!消化弩貫唖唖阿吽!弩貫唖唖阿吽!弩貫唖唖阿吽!!!
声は爆発音で掻き消され、再び投げ出された私は、聴覚の限界を迎えてキーンと激しい耳鳴りで耳も聞こえなくなった。
耳が聞こえなくなると、痛みも感じなくなり、不思議と恐怖は薄れてくる。
私は立ち上がり周囲を見ると、艦橋の強化ガラスも飛び散り、飛行甲板は穴が開き炎を吹き出している。
甲板上のクルーは皆倒れて動かない。
格納庫は火の海なのだろうか。
すこし、ぼんやりと考えていると、副艦長が私に何かを言っているが、全く聞こえない。
慌てるなよ。落ち着け。こういうときこそ冷静にだ。
すこし聴覚が戻ってきた。副艦長の言葉がすこし判るようになる。
「デヴァ・テイター!・魚雷・・・・爆発!・・・」
理解した!このままでは格納庫のデヴァステイター搭載魚雷が誘爆する!火を消さないと!
「作業チーム!いや!総員消化作業に弩貫唖唖阿吽!弩貫唖唖阿吽!弩貫唖唖阿吽!!
度重なる敵急降下爆撃機の攻撃は、艦橋に直撃弾を与えた。
空母レキシントンは、その数十秒間、九九式艦上爆撃機の250キロ爆弾が立て続けに命中!爆弾は主に格納庫内を爆風と火災で焼き尽くし、そして格納庫で待機していた雷撃機の魚雷と航空燃料に引火!
津弩苦貫唖唖阿吽!!!!!
その瞬間!攻撃態勢にあった九九式艦上爆撃機3機を巻き込む大爆発を起こした!
周囲の重巡洋艦の対空砲員すら吹き飛ばし、日本軍、アメリカ軍、共に動きが止まる程の爆発が辺りを支配した。