5/191
熱気
それにしてもすごい熱気だった。
こちらは高度を高くとっていたのに、衝撃波が伝わってきた。
そして息もつかせず、次々と爆発が続く。
急降下爆撃隊の攻撃は、ほぼ全弾命中したと思う。凄まじい練度だ。
停泊中の戦艦群は、漏らすことなく全て黒煙が吹き上がっていた。
ふと我にかえり、あの攻撃編隊は無事か?あのまま突っ込んでしまったのではないか?
と思わず気になり、目を凝らすと黒煙の隙間から、或いは黒煙を突っ切って、艦爆隊がそれぞれ姿を現した。
私は艦爆隊が完璧な仕事をこなし、そしてあれだけ決死の突撃をしたのに、悠々と離脱する後ろ姿を見て、感動するとともに、ふと我にかえり、慌てて見張りを再開するのであった。