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私達3人は最初こそ座り込んで話を咲かせたが、30分もしないうちにウトウト眠くなってきたので、それぞれ涼しそうな場所を見つけて、救命胴衣を枕に睡魔を解き放つことにした。


疲労が濃かったようで、あっという間に深い眠りについた。


そして、私はいつの間にか、夢を見ていた。


太陽の下、ハワイの美しい波間に浮かぶ小さな舟。巧みに操るのは美しい黒髪の娘だ。

ハワイの女神だろうか。私は彼女の近くに行きたいと思い、彼女だけを見つめて零戦の高度を下げてゆく。


すると突然、後方からP40に撃たれる!


頑頑頑頑頑頑!頑頑頑頑頑!


うわっ!うわわ!揺さぶられる!


あの娘は!?大丈夫か!?


目の前には、整備兵のむさい顔があり、私を心配そうに見つめながらユサユサと起こしてくれていた。


「あれ!?あの娘は!?」


「あの娘はじゃないですよ、そろそろ直掩の交代です。これお弁当です。」

整備兵は苦笑い?いや笑ってる。


「えっ!そうか、そうか。スマンな。索敵の方はどうだ?」


私は目茶苦茶恥ずかしくて話題を必死に振る。


「そっちも音沙汰なしです。第二索敵線の発進もまもなくです。」


「そうか、もう午後1時か、となると、このあと発見しても攻撃は間に合わないな、日没になっちまう。」


「はい、敵空母は何処にいるんでしょうか。」


「うん、そんな遠くに行くわけないと思うんだがなぁ。しかし、空母同士の決戦は怖いな、戦いの流れが想像できないよ。」


整備兵は私の様子を見て余裕が出てきたのか、表情も明るくなっていた。


私は同じく起こされた那須一飛曹と神鳥谷一飛兵に声を掛けると、階段を登り飛行甲板の愛機に向かった。


私達3人が歩く姿は自信に満ち溢れており、甲板上の各員は厚い信頼を込めた敬礼をしてくれた。


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