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報告

風防を開けると、涼やかな強風にガソリンの匂い、エンジンの爆音が入り込み、一瞬で現実を感じる。


すぐ整備士が登ってきて、大きな声で話しかけてくる。


「お疲れ様です!何発か被弾あります!不調ありますか!整備要望は!」


整備士はノートを片手に矢継ぎ早に確認してくる。彼らの戦争は始まったばかりだ。


「お疲れ様!エンジン快調!問題なかった!被弾箇所見てくれ!20ミリは空!あとでまた来る!よろしく!」


整備士に伝えると、翼を伝って甲板に飛び降りた。


スタッ!華麗に着地!

おっと、あれ、足がふらつく。

疲れたか?

いや、違う、これは武者震いだ。

そうか、私の足は、ずっと震えていたんだ。


そんなことに今気が付いた。


屈伸などしていると、続いて二番機、三番機も着艦してきた。

見事な着艦だ。


私は列機の部下が降りてくるのを待つ。

二番機がゆっくりと降りてくる、悠々と満面の笑みだ。

こいつは何故か解らんが凄い奴だ。


三番機も降りてくる、タタッと小走りに軽快だ。私達二人を待たせまいと素早く、かつ気の利く動きを常にしている。もしかすると一番凄い奴だ。


私達は健闘を喜びお互い肩を組んで頷くと、甲板上の指揮所で待つ淵田隊長のもとに小走りで向かった。


淵田隊長のもとに駆け寄り、整列する!


私は声高らかに報告する!


「敬礼!」

「報告します!第四小隊、新海しんかい くう少尉!」

続いて部下が名乗る。

「同じく、那須なす 與一郎よいちろう一等飛行兵曹!」

「同じく、神鳥谷ひととのや じょう一等飛行兵!」

「以上小隊3名!帰還しました!」


「ご苦労だった!諸君が第一次攻撃隊の最後だ!詳細報告せよ!」


「はい!」

そして、私達は順を追って状況、戦果、被害、配置、敵戦闘機や対空砲の能力などを余さず報告した。


「なるほど判った。私の見た状況と一致する。特殊潜航艇は真珠湾に侵入してじっと待っていたのだろうな、見事だ。」

「諸君の撃墜数は全部で7機。個人撃墜数は共同撃墜も考慮して、新海少尉が2、那須一飛曹が1、神鳥谷一飛兵が1だ。残り3は加賀隊とする!見事な戦果だった!」

「さあ、戦いは始まったばかり、特別に風呂が沸いてるそうだ。腹ごしらえもして30分後に搭乗員待機室で待機せよ。以上解散!」

「敬礼!」


私達は風呂と飯と聞いて有頂天だ。急ぐぞ!

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