表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/193

空戦

私は条件反射でスロットルを開けて加速しながら右後方の二番機を振り返る!


何処だ!


二番機は指差す!

四時の方向!?


小さい輝き数個!居た!!


高度は同じ約5000メートル!まだ距離はある!


燃料はもつ!どうやる?


私はこの空域における敵味方の動きを頭に思い浮かべ、一瞬で作戦を決める!


向かってくる敵の右上方に位置し、すれ違ったら左急旋回して、かぶせて一気に獲る!


列機に合図を送る!


了解!了解!


我々2小隊の動きは同じだ。有利な位置を求めて高度をとる。


しだいに敵が見えてきた。


P40が6機!牙を剥いた空の獣が見えた!


敵はまだ我々に気付いていないのか?がむしゃらに飛行場に向かっている様子だ。

飛行場上空の零戦隊を攻撃するつもりらしい。


敵がようやくこちらに気付く!一機が機首をこちらに向けて加速すると、残りも慌ただしく追従してきた!


遅いよ!


数は同数だが、敵はバラけた。

我々が上方を位置し、地の利はとった。


お互い最大戦速で急速接近する!


私は興奮を抑えながら言う!


見せてもらおうか、アメリカの戦闘機の性能とやらを!


敵機の先頭は私に向けて突撃してくる。


見ると、パイロットは照準器越しに私のことを睨み付け、決して見逃すまいと決意しているようだ。


怒りと殺意のオーラを強く感じる。


そして私は判断する。


こいつは目も良いし、先頭で突出したことからも技量に自信のあるリーダー格の可能性が高い。


今後のためにもやるぞ。


後続に手早く手信号を送る!


あれは私がやる。別れて後ろの5機を撹乱、撃破せよ!


了解!


私は単機、先頭のP40に機首を向け降下に入る!


僚機はそのまま進路を保ち、二手に別れた!


さあどうする!?


敵の先頭はまるで私と赤い糸で結ばれているかのように私の方に機首を向けている!


当然だな!


残りのやつらは?


迷ってどっちともいえない中途半端な位置取りとなった!


いよいよ接近してくる!


はっきり見えるぞ!その殺意が!その青い眼が!


弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾!


遂に撃ち始めた!


機首と翼の前面で凄まじいマズルフラッシュ!


まだ遠い!


当たるものかよ!!


私は叫ぶ!


打打打打打打打打打打打打打打打!


機首の7.7ミリを発射しつつ、機体を滑らせながら敵の射線を少しずつ逸らす!


相対速度800キロ以上で擦れ違う!


お互いのコックピットはまるで手を伸ばせば届くほどの距離!


お互いに見上げて、敵パイロットと視線が交錯する!


敵の瞳からは、殺意、そして怖れを感じた!


さあここからだ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ