バレルロールアタック!
「待っていたぞォ!!!!」
新海は零式艦上戦闘機のコックピット内で叫ぶ!!!
零戦の涙滴型風防の視界は極めて良好であり、新海は対向すれ違うP40との凄まじい相対速度のなか抜群の動体視力でその姿を捉え続ける!!
今までは加速を続けてあっと言う間に遠ざかっていたが、今回は速度を一定に保ちつつ、両翼の補助翼が可動すると反応良く垂直旋回に移った!!
「今度は高速旋回勝負かよ!!」
新海は負けじとP40を目掛けて左垂直旋回に移る!!
左手のスロットルを押し込みエンジン全開!!操縦桿とフットバーを機敏に操作すると機体は一瞬で方向変換を終えた!!!
零戦とP40はかなりの距離を開けているが、横向きの旋回姿勢で相対する!!
それは騎士同士が円形闘技場において距離を保ちながら外周に沿って騎馬を走らせるのに似ていた!!!!
P40は優位な位置エネルギーと運動エネルギーを保ち、高速旋回を続ける!!
零戦もエンジン全開で高速旋回戦に挑む!!しかし小回りに応じず優速なP40を追いきれない!!
新海は慌てず後方に回り込もうとするP40を見詰めながら高速旋回を継続する!!
その様子を見上げるフォード島の観覧席は盛り上がり解説員が声を張り上げる!!
「オオ!!P40が徐々にゼロの後方に回り込みます!!横方向の高速旋回速度は変わらずP40が速い!!さて零戦はこのままでは後方に回り込まれそうです!!」
「ゼロは何もしないのか?終始劣勢ではないか?日本のエースは大丈夫か?!」
「ムムム・・・黙って見ておれ!!今急いで旋回半径を小さくするのはP40の思うつぼ!!運動エネルギーを消費して不利になるだけじゃ!!そもそも零戦がそう簡単に実力を見せる訳がなかろう!」
「そうよ!!!ソラが負けるもんですか!!」
「王女?何かおっしゃいました?」
「いえ、どちらも頑張れって言いました!!ねぇ!仲条さん!!」
「は、はい・・・」
仲条麗子はラアヌイ王女と空の2機を見詰めながら考える。
王女ォォ・・新海少佐には勝って欲しいけど、ここで負ければ王女はルイ中尉と・・・そして落ち込む少佐を私が慰めれば・・・あっ少佐♡
「キャッ」
「仲条さん?!何顔赤くしてんの!!ちゃんと上見なさい!!」
「は、はい!」
そのまま両機は高Gの旋回を続けると、やがてP40が零戦の後方に位置をとった!!
ルイ中尉は高Gで顔を強張らせつつも冷静な声で宣誓する!
「さて、ラアヌイ王女!!女王!!そして審判員!!観客達よ!!とくと見よ!!ここからが本番だぁぁ!!!!バレルロール!アタック!!」
ルイ中尉は左旋回から零戦に急速に接近するとバンク角を平行に戻し!!一気に機を急上昇させながら左ロールさせる!!!
鮫は舞うように海中から飛び出し!!左回転しながらゼロという名の獲物を視界に捉える!!
そしてゼロに向けて降下旋回しながら一気にその距離を詰める!!!
P40の顎は開かれた!!!
ゼロはまるで気付いていないように見える!!
解説が絶叫する!!
「P40がゼロを捉えるぞ!!!」
審判3人はアメリカ国旗を握りしめた!!
王女は声も出せずに硬直する!!
弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾!!!!!




