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ショート司令長官の指揮

キィィィィィィィィン・・・・・・


まだ耳鳴りが強くて、通常時の半分程も聴覚が戻っていない。


ウォルター・キャンベル・ショート、ハワイ方面陸軍司令長官は、よろよろと立ち上がる。


あの凄まじい爆発から、一分?二分経ったか?わからない。


あのジャップの複葉機を撃ち落とそうと、高射砲陣地に指示をだしていたところ、その高射砲陣地を中心に凄まじい光と爆発が起きたのだ。


気が付いたら私は地べたに投げ出され、お気に入りのM1911キャンペーンハットは爆風で吹き飛び、サングラスはひしゃげ、丁寧に整えた髪には土埃が絡まって酷いことになっていた。


クソが!!何だ!!


周りの参謀達も同様の有り様だ。

なんとか立ち上がり、周囲を見回すと、さっきまであった高射砲陣地は、どデカい穴と、鉄屑、そして、多数の鉄帽と、屍、うごめく兵士達が広がる地獄絵図に変貌していた。


「この威力は・・・凄まじい・・・・こんな威力・・・ジーザス!!」


一体何が起きればこんな破壊が起こる?


丁度そこに、司令部から伝令等が走ってくる!!


「長官!!!長官!!!大丈夫でありますか!!!海軍から打電です!ホノルルにジャップの戦艦が現れました!!!!ジャップの艦砲射撃です!」


「バカな!!!ジャップのクソ戦艦の艦砲射撃だと!!海からここまで30キロはあるだろう!!黄色い猿どものクソ戦艦がここまで撃ち込めるものか!!!!よく確認せよ!!!」


「海軍によれば!!ジャップの戦艦は超弩級、the new super-dreadnought battleshipとのことです!!」


「Jap the new super-dreadnought battleship?!!これほどまでの威力の?!」

「・・・・Oh my God・・・」


ショート司令長官は陣地を見渡すと、兵達は皆、動揺している様子が見て取れた。


・・・クソッ!こんな!いきなり戦争だと!こんな、オアフ島のど真ん中で艦砲射撃を受けるだと?!そんなこと誰が予想できる?ルーズベルト大統領!!ジャップの超弩級戦艦?そんなことは黄色人種が可能なはずはない!ドイツの戦艦ではないのか?!クソ!!ドイツが秘密裏に戦艦を寄こしたのか!!


「司令!!遠くに敵影が見えます!!」


「何!?」

双眼鏡を覗くと、かなり遠くに土煙が上っている!?


「あれは、The Red Sun!!敵です!!敵が・・・馬?!馬に乗って突っ込んできています!!」


「馬だと?!」


「司令!!更に遠方からも戦車とともにジャップの歩兵が姿を現しました!!次々と!!一斉に!!奴等が!!」


ショート司令長官は双眼鏡を下ろして叫ぶ!!

「敵だ!!姿を現したぞ!!!!全軍に知らせ!!全軍戦闘配置につけぇ!!!」


「イエッサー!!全軍戦闘配置!!」

「全軍戦闘配置!!全軍戦闘配置!!」


「司令!!救助活動はいかがしますか!?」


「救助活動?!予備の部隊を割いて救助に当たらせよ!!!それと、側面の部隊の半分を正面に回せ!!奴等は正面から来る!!迎え撃つぞ!!!」


「イエッサー!!」


「戦車隊はまだか!!急がせろ!!我々は司令部に戻るぞ!!」


こうしてアメリカ陸軍は、混乱のなか救助活動にあたるとともに、側面の歩兵師団を正面に移動させ始めたのである。


しかしその動きにキレはない。

突然始まった戦争というものに、未だ大半の兵は心理的な切り替えが追い付かず、殆どの兵が酷く動揺していた。


兵達は、M1917ブロディヘルメットのあごひもをキツく締め直し、スプリングフィールドM1903小銃を強く握りしめ、遠くに見え始めた狂気の戦闘民族の来襲に備えるのであった。


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