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着地

新海とノア二人の落下傘は、二人を乗せて緩やかに落下する。


艦砲射撃による破壊と、高度が落ちてきたことで、アメリカ陸軍スコフィールド基地からの銃弾の雨は止み、辺りからは大地の匂いと、そして硝煙の匂いが感じられてくる。


二人の落下傘は白色であったが、アメリカ軍の曳光弾で所々赤色に着色され、まるで白色のハイビスカス二輪がフワフワと落下するようであった。


新海は唇を接するノア越しに地上を確認すると、銃撃は止み、地上が近いことを確認する。


地上は牧草地帯で、背の高い草花が生い茂るが、着地には適した地形であった。


よく見ると、遠くから土煙を上げて接近してくる騎馬隊がいる!

なんだあれは!?

高々と掲げているのは、日章旗!?

陸軍の騎馬隊!?

近衛兵か!?

いやそんな訳ない、あんな軍いたのか!?

物凄い迫力だが、よく見ると、皆、笑顔を浮かべて突進してくる!!!


新海はとりあえず味方であることに胸を撫で下ろしつつ、着地に備えなければと気を引き締めた。


至極名残惜しかったが、その柔らかいノアの唇から離れると、ノアも泪目を見開いてこっちを見返してくる。


今度はおでこをつけながら大声で伝える!

「さあ、もう大丈夫だ!ランディングするぞ!」


「・・・yes」

ノアは顔を紅潮させながら頷く。

「どうしたら良いの?」


「下を見るんだ、怖がるな、僕を信じろ!、そう、膝を曲げて!」


「OK!」


すごく素直だ!絶対にノアを怪我させない!!


落下傘は秒速約4メートルで急速に降下!生い茂る草が拡がる地面が急速に近付いてくる!


新海は大声で叫ぶ!

「to count down!」

風はわずか!新海はノアより先に着地できるよう、ノアを少し上に持ち上げる!

「OK!!」

ノアも答える!!


「three!力を抜いて!」


「two!膝を曲げて!」


「one!!僕を信じて!」


二人の眼の前には柔らかそうな草が密集している!


座座座座座!!!!!!座座座座座座!!座座座座座座座座座座座座座座座座座座!!!!!


新海はノアの下になるようにして足先が地面に接地する!!!


次の瞬間!!ノアも接地!!

ノアを抱き締めながら全身を回転させ発生したエネルギーを全身で受け流す!!!

一秒にも満たない間、ノアの体重を感じながら、上手く着地できたことを感じる!!


「大丈夫か!」


葉咲葉咲葉咲葉咲ッ!!!


倒れ込んだ二人の上からハイビスカスの落下傘が被さってくる!!


そしてしばしの静寂。

二人はパラシュートのラインに絡まりながら、草花の上に寝転がる。


ちょうど、新海の左腕にノアは頭を乗せてお互いに見つめ合うと微笑む。


「大丈夫だった?怪我はない?」


「OK、怪我はないわ・・・大丈夫だっちゃよ」


「こんなこと、初めてだっちゃ。」


「良かった。僕も初めてだったから、上手くできたかな?」


「フフ、Yes, of course!」


クスッ!!ワハハハ!アハハハハハ!!!

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