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戦乙女の混乱

「クソが!!その後ミネアポリスはどうだ!?」


戦艦メリーランド艦橋では、戦隊司令官ウィリアム中将が後方に急速に離れつつある一隻の重巡洋艦を振り返りながら声を張り上げる!


「イエッサー!!左舷後部、喫水線下に一発被雷した模様!!詳細確認中なるも中破程度!ダメージコントロールにつき艦隊速度維持は困難とのこと!」


「どういうことだ!?あの魚雷はジャップの水雷戦隊が撃ったのか?それとも潜水艦の待ち伏せか!?どういうことだ?事前に爆発していたのは何なんだ!?」


「・・・・・・」全員がうまく言葉に出来ず、押し黙っている。


「幕僚長!!」

「イエッサー!!」

幕僚長も未だ混乱から抜けきっていなかったが、話をしながら考えを纏めることにした。


「敵潜水艦が複数潜んでいる可能性が高いと思われます!!敵水雷戦隊の魚雷攻撃の可能性については、魚雷到達時間と距離を考慮すると、遠すぎると判断します!」


「そうだな、私もそう思う。」

「しかし、仮にジャップが新型の長距離高速魚雷を開発していたとすれば、あの水雷戦隊の魚雷攻撃だとも考えられます。」


「・・・・・・そんなバカな。」


「魚雷については我が軍の水雷戦隊も、磁気信管という新型魚雷を運用しておりますし、ジャップとはいえ新型を開発する可能性はあります。」


「確かに。しかしあくまでも黄色い猿、中途半端に開発したので大半が早爆したということか?」


「はい。新型魚雷の不具合で早爆したか、若しくはわざと爆発させたかが考えられます。」


「事前にわざと爆発させたと?その狙いは?」


「その狙いは・・・・」

幕僚長は答えを言わず、視線を敵戦艦群に向ける。


その先には、一糸乱れぬ急速回頭を終え、急速に近づきつつある日本艦隊。そしてその先頭には、明らかに巨大な戦艦がその威容を示しているのであった。


ウィリアム中将も双眼鏡を掲げ、その敵戦艦を見る。


艦橋内の全員が、その鋼鉄の何かを見る。


その瞬間、まるで目が合ったように、見られることを待っていたかのように、巨大な主砲が滑らかに動き出し、その銃口を一寸違わぬ程にピタリと、自分自身に向けて合わせたのだ。


ゾクリ

一瞬そのライフリングすら見えた気がして、思わず双眼鏡を降ろさずにはいられなかった。


次の瞬間、その銃口から凄まじい閃光が解き放たれた!!


辺りは光の奔流か狼煙となり、この戦いがクライマックスを迎えつつあることを告げるのであった。


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