3.博物館 日本工業大学 工業技術博物館 とある土曜日
この物語はフィクションでありますが、物語上実在する人物・組織・企業・製品名が出てきます。
この回については筆者の私見がかなり入っております。あくまでも私見となるため、関連する企業・団体への問い合わせ等はご遠慮願います。
東武線新田駅より新越谷乗り換えで東武動物公園をめざした。
車があんまりにもアレすぎる。10年ぶりに恵さんに合うというのにいきなりアレみてどん引きされても悲しいというよりも、とにかく一人しか乗れないし寝られないし。寝るのそれ違うから。
町内循環バスがちょうどいいのがなく、新田駅まで徒歩で行くことになった。
循環バスは便利なんですけどね。休日ダイヤだとちょうどいいのがなくて駅まで歩くことになります。一本乗り遅れるとだまって30分後ぐらいです。ウチの辺はいいのですけどね、ひどいところは1時間に一本どころか、最終が夕方5時とかもう勘弁してほしいです。
新田および蒲生は急行が停車しないため、新越谷もしくは越谷で南栗橋もしくは久喜行きの急行に乗り換える必要がある。東京に出るときは一度草加まで出てそこから中央林間行きの急行に乗って清澄白河あたりまで出ることにしている。しかしまあ、、久喜もしくは南栗橋から中央林間ってすごいですよね。いっそのこと中央林間から会津田島あたりまで走らせてもいいんじゃないですかね?誰得ですかそれ?東急も東武も東京メトロも絶対やらない気がするし。そもそも、、トイレなしってだめだろ。
需要があるのならば、取手から小田原までメトロ箱根走らせていますよ。
まあ、各駅でもいいんだけどもそこそこ停車駅があるんだよね。たまに春日部に出て叔父さんと一緒に飲むときも新越谷で乗り換えてますけどね。
そういえば、南栗橋から栃木方面行くのに、何故南栗橋で新栃木行きの各駅に乗り換える必要あるんですかね?特急使いなさいということですかね?
これはつまりアレです。静岡において県内の移動は新幹線をつかいませうというJR東海のオススメがあるとかないとかいうのと同じレベルですかい?東武は国鉄に似ているという説もあるとかないとか。
東武動物公園駅に到着し、日本工業大行きバス乗り場はどっちだろうか。。日本工業大の方向が動物公園側のためそっちに降りていく。
町内循環バスが来るまで約20分。ここって昔は東武鉄道の車両整備工場だったらしく、そのときのレールや転轍機がモニュメントとしてそこにあった。
わらで作った巨大な虎と竜が飾られており、虎の牙は杭で作られていた。
手の込んだことするなぁ~
バスが時刻表より早く来たので乗ろうとすると運転手のおじさんに、「このバス回数券が必要だからついたら買ってね」といわれ到着したところのロビーにあった券売機で1回分購入し、運転手に渡した。
ところで、恵さんはどこにいるんだろうか?
入ってくるときに、箱根登山鉄道の退役した車両があったね。
博物館の入り口に彼女はいた
「ヒロちゃんおそいよ!」
恵さん、、姉が送ってきた写真まんま。分かれる直前にいっしょにデートしたときよりか大人びた感じはするけど、まったくかわらない。時間が止まったままなんだね。
言葉がでない、、あれほど話をしたかったのに。
あれ、、なんか涙がでてきたよ。
「ヒロちゃん?泣いているの?」
泣いているんだいま。。
「えふっ、、恵さん、、、あいたかったよ」
そっか、、わたしだって泣きたいよ。。わたしヒロちゃんよりおねえちゃんだから、、って。。
「ほらヒロちゃん涙拭いてね、、私もだよ。もっと早くあいたかった。じゃあ見に行きましょ、私が案内するから」
恵さんが?工作機械の博物館をですか?
まず案内されたのが、正面入って左側の列。
いきなりカーニィーアンドトレッカーの横型フライス盤ですか。MILWAUKEEのロゴがすばらしい。
「ヒロちゃんならこのメーカーは知っているよね」
なんかにこにこしているんですけども、なんか教師っぽいんですけどね?
「カーニィーアンドトレッカー 世界で初めてマシニングセンターを作ったメーカーです」
「正解です!」
これはまた、、大隈鉄工所現在のオークマ製形削り盤 セーパーですね。うちの大学にもあったね。
うわ、、瓦斯電じゃないですかこれ!
「東京瓦斯電気工業の平削り盤 プレーナーだよ。さて、この通称『瓦斯電』は後のどこの会社でしょうか?」
瓦斯電の後の会社ですか、、なにそのカルトクイズ、、恵さんあんたいったい?
「範囲が広すぎるんですけどね、いすゞ自動車、コマツゼノア改めてハスクバーナ・ゼノア、日立精機の一部後にDMG森精機。。であってますか恵先生?」
にひぃ~「うん!正解だよぉ~それとぉ、、私いま学校の先生やっているんだよぉ~」
やっぱり、、
「たしか、教員免許持っていたよね?」
「うん、ヒロちゃんもなぜか社会科の現代社会の免許持っているよね?」
「更新しなかったので失効してますけどね。で、汐見先生はなんの免許でしたっけ?」
「あとで話します」
ベルトがけの池貝旋盤 美しいものだ。ちなみに、池貝が作った国産第一号は上野の国立科学博物館にある。どうやらオークマも大口町本社に展示施設があるらしい。そこにオークマ第一号があるのだろうか?今度オークマの広報に入館可能かどうか?ヤフーメールだと却下される可能性があるので、会社メールで問い合わせしてみよう。
犬山の明治村にあるというのは誰から聞いたんだっけな?
池貝の国産一号機はたしか永久貸与あつかいとなっているけども、国宝じゃないんだよね。
でもここの匂い好きだなぁ。大学の実習室に似ている。それと、工業高校の実習支援で行くことがあるけど、そこの実習室の匂いもこんな感じ。
「汐見先生はここの匂いをどう感じますか?恵さんではなく汐見先生として」
「そおねぇ~最初は、う~んな感じだったけども何回かきているうちになれちゃった。いまじゃ落ち着くんだよねぇ~」
そうとう来ているなこの人、、
ドイツVVDF旋盤のパクリである池貝D型旋盤、コーハン旋盤、本家VDF旋盤と並ぶけども、この当時の機械って今使うとどのぐらいの精度が出るのだろうか?非常に興味がある。
以前何かで読んだけども、旋盤で一番いいのはここ40年から50年前に作られた池貝かオークマの旋盤をオーバーホールしたのが最高だとか。鋳物自体もしっかり枯れているのも同然のため安定しており非常によいとか。
日立精機NCターレット旋盤 しかもファナックの電気油圧サーボ。制御装置についている励磁ランプがいい味出している。
「ここの機械ってある程度企業からの寄贈みたいなんだよね」
*注釈「だろうねぇ~ってこれ日立精機のダイレクトドライブ主軸じゃんか!初めてみます!」
「そうなんだ」
日立精機というよりも国産精機が昭和16年頃に製作したというターレット旋盤なのだが、日産自動車の技師でもあったW.R.ゴーハムの手によって作られたという。非常に珍しく、主軸内にモーターを組み込んでいるという今でいうダイレクトドライブ主軸を昭和16年頃に実用化したというまさにオーパーツとしかいえない機械。残念なことに戦後の日立精機はこれを生産することができなかったという。W.R.ゴーハムのおかげなのだろうか、、
ゴーハムって日本で知っている人ってどのぐらいいるのだろうか?日本技術史の偉人さんなのに。ちなみに現在のDMG森精機はこの機械を保管しているのだろうか?すごく気になります。
しかし、、日立精機のエンブレムかっこいい!
「ヒロちゃん次のコーナー行ってみようか」
手をつながれているし、、
「三井精機3A光学式ジグボーラー 今は三井精機は川島町にあるけどもかつては大田区にあったんだよ」
恵さんなんでこんな詳しいのかな?
かつてつきあっていたときは完全な文系の女の子、、冴えない系、、だったのに。
「それと、こっち、、戦前の三井精機製ジグボーラー たしか三井精機にこれと同じものがオーバーホールされて展示されているって聞いたよ」
よく知ってますね、、
その隣には東京第一陸軍造兵廠製造のジグボーラーがあったのだけども、造兵廠で工作機械もつくっていたんだ。昭和15年製 芝浦工大からの寄贈ということは、戦時賠償物件が大学に払い下げられたんですね。
碌々のNCボール盤 あれ?制御どこよ?
これだったかどうかは忘れたけども、山梨大学だったか甲府工業高校が碌々の実働可能なNCボール盤を保有しており、ファナックと最新のロボドリルとのトレードが行われたとかいうのを読んだことがある。
「ちなみに、牧野フライス製作所の創業者である牧野常造氏は碌々商店 いまの碌々産業の出身者であったりする。すばらしき無駄知識だねっ!」
「汐見せんせい、、、よく知ってますね。。工作機械関係者でもその話知らない人多いと思うよ?」
「にゃあぁ~」
恵さんらしいや、、なんかごまかすと「わたし猫だからわかんにゃい!」ってかわいいんですよもう!
「ということで!ヒロちゃん見たいと思うのがこれ!牧野フライス製作所昭和48年製KGNCだよっ!」
はじめて見たよ。。これのレトロフィット機は何度かあるけども、これ動態保存だよね?
主軸のミーリングチャックにマジックくわえて、テーブルに『埼玉県宮代町』ってあるからね。なんか頼めば動かしてくれるみたいですね。。
ファナックは稼働している限りパーツは有償で永久供給という体制だけども、これはまた、、だよなあ。ファナックの新商品発表会とか展示会でパーツ供給体制見ると、なんだかなぁ~だよ。代替デバイスでほとんど魔改造じゃんか。
「すばらしい、、電気油圧サーボモーター、油圧ユニットでかっ!テープリールはFACOM!FANUC220制御装置には虎のステッカー!」
この虎のステッカーは本社にいたとき昼休みに資料室に入り浸りで古い工作機械カタログを読んでいたときに虎ステッカーを知った。虎ステッカーつきのファナック制御装置って現存するのどれぐらいあるの?
「へぇ~しらなかったぁ~」
まあ、、知らないのが普通です。知っている人が異常だわ。
「う、、まじか。。日立HIDAM!資料でしかしらなかったけど、こりゃもうお手上げだよ汐見せんせい、、」
「そうなの?」
このHIDAM制御装置って、なんか表示部があったようなところに不自然な板はってあるんだけど。。
あ、、デッケルFP1! プラモデル買ったよ!アマゾンで買ったけど作っていないんだよね。
牧野のV33も作らずに放置中。いいから作れよ自分!
おお!瓦斯電のフライス盤! ロゴがまんま『瓦斯電』かっこいいぜ~!ウケるっ!
「ヒロちゃんうれしそうだね~ヒロちゃんはこういうところは一人で回りたいんだよね。私もそうなんだけど、ヒロちゃんと今日一緒にまわれてうれしいんだよっ!」
「恵さん」
「メグちゃんでいいよもう、、これ見たことあるかな?」
カーニィーアンドトレッカー 万能ロータリーフライス盤 とあるけど、ロータリーフライス盤なの?
「これって、、、テレビで見たことある。。。あーそういうことかぁ~」
本田技研ですか あの機械なんですね。本田宗一郎に関する特集があるとこの機械が出てきていた。たぶんこれ、狭山工場にあったものじゃないかな?
「そうだよそれと、、こっち来てっ!」
恵に引っ張られて来たのがこれ。
「じゃーん!MILWAUKEE MATICだぞっ!」
実物見るのはまじで初めて。。
ATCマガジンはコラムの上に設置されているけど、30年以上前のテレビアニメ『ドラグナー』に出てくるドラグナー3号機の電子戦アンテナみたいだね。制御装置はGeneral Electricの
MARK CENTURY 配線関係はつなぎこみがされていないんだけども、はたして動くのだろうか?かつてファナックはGEと提携してGEFanucとしてファナック製制御装置を展開していたけども、MARK CENTURYってどうなったんだろうね?
そういえば、画像検索でLeBLOND MAKINO かつて存在した牧野フライス製作所のアメリカ現地合弁会社。現在は提携を解消しLeBLONDとして小型旋盤等を製造販売している のNC旋盤が出てきたけども、その制御はGE MARK CENTURYだったりした。
「歴史上の名機ですね。東芝機械がライセンス生産方式ではなく技術を取り入れたものを出しましたねBMCシリーズとして。販売メンテナンスについては合弁会社が設立されたけど、たしか国策だったのかな?」
「それまではよくわからないわ。それと、、こっち!」
なんかぐいぐいと。メグちゃんってこんなだったかな?
「ヒロちゃん、これ知っている?」
金色の機械と緑色の機械 緑色の機械にはIKEGAI-JAPAXのロゴがある。
「日本初の放電加工機ですね。岡崎嘉平太が関わっている、、ここにあったんだ。通称雨蛙」
ジャパックス末期については専用サイトに詳細が記されているけれども、80年代初頭からなにか間違えていたみたいですね。
近くにファナックというか富士通ファナック製ワイヤーカット放電があるけれども、本来はジャパックスのワイヤーカット本体にファナックの制御装置をつけて出すはずだったのが、池貝と富士通ファナックとの間で特許問題が発生。機械回収となったのだが、富士通川崎工場に納入された数台は回収できず、それが後のファナック製ワイヤーカット放電となったという説がある。
そのためジャパックスは独自の制御装置を開発せざるにおえなくなり、後の経営不振の原因の一因となったとされる。
ソディックとジャパックスの関係や、ソディックと牧野フライスの関係についてはややこしくなるので。この辺は関連サイトや出版物にあるけども、後者については当事者が書いたとはいえ深いところはわからないんだよね。なんかぼかしまくっているし。
そのあと、FJR410ターボファンエンジンやコンバインドガスタービンエンジンを見て博物館を去りました。
「ねえヒロちゃん、おなかすいたよね。今日はね、私電車できたの。その、駅に行く途中においしいお店あるからそこでどうかな?」
「うん」
恵さん、、変わっていないというか大人になった感じがする。時間は止まったままだけど。
あ、ほんと冴えカノの加藤恵かな、、劇場版ラストの大人になった加藤恵。
いや、、この場合二人の時間はとまったまま。
「メグちゃん」
「なあに?」
「うれしいよ、、ずっとあいたかった。。この10年、何度も心が折れそうになったよ」
「わかるよヒロちゃんの気持ち、、あとでゆっくり話そう。。昼ご飯だけどそこでどうかな?安くておいしいから。メグちゃんオススメは牛すじ煮込みカレーだよっ!」
おいしい、、牛すじがとろっとろ~
「おいしいでしょ?」
「ん!おいしいよ!」
「ヒロちゃんかわいいよぉ~ねえ、、このあとだけど、私のうちに来て。いろいろ話したいことがあるの」
いろいろ、、そうだね。話したいことがいっぱいだよ。
参考
日立精機ターレット旋盤についてほか
工作機械技術の変遷 長尾克子著 日刊工業新聞
*注釈 p143〜147 工作機械技術の変遷
収蔵品がビルドインモータ方式なのか?モーター内蔵型という定義が、ベルトがけ旋盤が主流だったあの当時の場合不明確。モーター内蔵型旋盤というと、カウンターシャフト動力ではなく1台づつ機械にモーターがついているという意味だったかと。『主軸にモーター内蔵型』ならばビルドインモーター仕様のタレット旋盤となる、、はず。2020 1/14追記
『日立精機25年の歩み』日立精機 という本持っていますが、読み直してみます。2020 1/13
放電加工機関連
JAPAX、ソディック、牧野フライス製作所について
放電加工にかけた夢 古川利彦著 日刊工業新聞
放電加工補遺物語 YJSNET
ちなみに、ここに展示されているソディック22NC NC放電加工機と牧野フライス製作所EDNC22は姉妹機という説がありますが、『放電加工にかけた夢』38ページ左の写真にある牧野ソディックJIG SPARK を見ると、22NCとは異なることがわかる。(コラムにハンドルはついていない)このJIG SPARKが後にNEC製制御・電源を搭載した牧野EDNCシリーズとなるわけで、似て非なるものということですね。
読んでくださってありがとうございます。
直しました。。なにやっているんだか コピペで連打していた。。 1/13 20:35
日立精機タレット旋盤について注釈いれました。ビルドインモータ主軸ではないかも? 1/13 22:10
こまかい点を修正しました。1/14 21:04
この章につきましては精度を上げるため判明しだい追記・訂正等を行っていきます。
日本工業大学 工業技術博物館に行ってまいりました。感動して半泣き状態で見学をしておりました。
今回まえがきでも書きましたが、この業界の人たちって過剰に反応することあるんです。四半世紀近く前にとある投稿記事で叩かれたことがございます。ですので、念の為まえがきにてその故謳っておきました。
さておき、ご自宅のWindows10パソコンがタブレットのぞいて全滅と。
一台は電源が入らない。電源ボタン押すとピカッ!と光って沈黙。。電源回路だね、、もう一台はハードディスクアクセスランプ点灯しっぱなしで無限ループ入り。なんだそれは?
ちなみにこの投稿は、シーケンサー用窓XPの一太郎2008で編集してワードに落として、UbuntuのLibreで読み込んで貼り付けという意味不明なことをしています。もういっそUbuntu環境に移行すればいいんですけども、一太郎とATOK慣れていると手放せません。こまったものです。
ということで、次回でラストになります。
アシガラAB11ことkeiでした




