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高校生活初日

「別れよう」

この言葉がどれだけ重い言葉だったのかを知るのは、高校三年の夏の終わりごろだった。


さぁ、最初の入りの通り、この物語はどうやらハッピーエンドではないらしい。なんだよ!つまんないだろ!いろいろな声が寄せられるだろう。まぁまぁ、落ち着きたまえ。これは、一人の男性に起きた事実をすこーしばかり、誇張して作った物語だ。広い心で目を通してくれ!

この物語で主人公というべきであろうか、まぁ、自分語りをしていくのは俺、長谷川ひろと。15歳、誕生日は8月5日、血液型は…ってこんな情報はいらないな。

これから期待に胸を踊らせて、いざハイスクールライフへ!と、前向きにいければよかったものの、性格上そうもいかない。

顔見知り、内気、ましてイケメンでもない。少し他より勉強ができる程度の一般高校生の俺に何を期待しろと?まぁ、中学よりは楽しい生活が送れることを祈って、入学式に望んだ。

「おはよ、まさか同じクラスになるなんてな、よろしく」

入学式で最初に話しかけてきたこいつは、小、中と学校が一緒だった佐藤りひと。同じクラスになったことはないが、部活が一緒で、仲良くしてもらってる。あ、いまさらだが、俺はサッカーを小学生の頃からしていた。実力は、ご想像の通り、ごく平凡だ。

「おはよー、知ってるやつがいると安心するわ、よろしく頼むよ」そう言葉を返し、りひとと一緒に、教室に向かう。

俺たちが入学したのは、俺らの市内では一番優秀って言われてる、洛中はくちゅう高校だ。みんなは、「はくこー」だとかなんとか、呼んでいる。

さて、教室にはいると、所々でグループがすでに出来つつあった。こりゃ乗り遅れたなと、りひとと顔を会わせて苦笑していると、

「おっはよー!まさか高校でも一緒とはね!」

この元気はつらつとした少女、女性といっておくか。彼女は、白石ゆり。実は俺の幼馴染だったりする。

「ちょっとー、話聞いてるー?」

「聞いてます聞いてますとも。お前の声がでかすぎて、反応しようにも周りの視線が痛くてな」

ゆりが周りの様子をうかがう頃には、ほとんどの生徒がこちらに注目を集めていた。それに気づいたであろう当人は、恥ずかしがって顔を赤くするものかと思ったが、そんなことはなく。だからなに?と言わんばかりの表情でにらめつけてきた。

「はいはい、わかりました。よろしくな、ゆり」

「それでよろしい!りひともよろしくね!」

ニコッと笑って、手で返事を済ますりひと。なんだこいつ、イケメンかよ。とかとなりで思いながら、自分の席を探した。どうやら俺の席は窓際らしい。ラッキーと思いつつ、なにがラッキーなのか自分でも理解しないまま、席に向かった。そのとなりには、一人の女子生徒がいた。サラサラな黒髪に、整った容姿、きれいな姿勢。こんな人がいるなんて、高校ってすげーと思いながら、席についた。

それは突然のことだった。

「君、名前なんて言うの?」

そう、隣のあのきれいな女子が話しかけてきたのだ。

「俺に聞いてる?」戸惑ってそう答えてしまった。

「当たり前じゃん。君より左側は壁と窓しかないよ?」

と、くすくす笑いながら、彼女はこちらに視線を向ける。

―あぁ、とても綺麗だ。―

それが言葉として相手に伝わったのか、それとも俺がずっと視線を向けていたのか、どちらの理由かはわからないが、彼女の顔は少し赤くなっていた。

「え、あ、お、俺なんか言ってた?」焦りながらも問いかける。

「え、う、ううん!なにもいってなかったよ?」

彼女も戸惑いながらそう答える。少し怪しかったところはあるが、そっかぁ、よかった、と安堵したところで改めて、

「俺は長谷川ひろと。ひろとって呼んでくれ」

「私は波止あすか。私のことも名前で読んでね」

この後のことはよく覚えていない。こんなにも美人な人と初日から知り合いになれるなんて、入学前は陰キャ生活を送っていくと思っていたのに、あぁ、何て素敵な日だ。などと、あほらしいことを考えながら高校生活一日目を終えた。

さぁ、高校生活初日はいかがだっただろうか。いかにもありがちっていう、内容に感じたかな?そう思わせてしまったのは申し訳ない。次回からの展開にご期待願う。

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