桜の木の下
「ゴラー!」
私は所有地に生えている桜の木の下を掘っている親子を見つけ怒鳴りつけた。
「人の土地で何をやっているんだ?
不法侵入で警察に突き出すぞ!」
「すいません、すいません。
子供が可愛がっていたインコが死んだので、埋めてあげようと」
「そんな事俺の知ったことか!
お前らには可愛いペットだったかも知れんが、他人の俺にはただの生ゴミ。
人の土地にゴミを捨てるな!」
「申し訳ございません」
「分かったら、直ぐに出ていけ!」
所有地から出ていく親子の背中を睨みながら私はホッと胸を撫で下ろす。
この木の下に埋めた死体が見つからなかった事に安堵して。