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この世界が、『乙女ゲームの世界』だと思い出した時、さすがに自分の妄想だろうかと疑った。夢ではないかと。
思わず自分の頬をつねったくらいだ。
何とも古典的な方法。
普通に痛い。
そりゃあつねれば、いたい。
妄想であると言うことは否定しきれないので置いておいて、夢ではないことは証明された。
とりあえず、私は攻略対象キャラが存在しているのか? と言う基本的な考えに至り、次の日からひっそりと調査した。
まぁ、頑張る必要もひっそりとする必要もなかった。
当たり前だ。
そりゃ、乙女ゲームの攻略対象。
抜群に顔が良い。
家柄も良い。
目立たないわけが無いのだ。
入学して3日のうちには、その存在を確認できた。
うろ覚えだった名前も確認した。
攻略対象は4人。
第二王子、ルーファス・ミスティア。
この国の王子で、1番人気のキャラクターだった。
文武両道、品行方正、みんなに優しい絵に描いたような王子様。
騎士団長の息子で伯爵家長男、シルヴァン・ランドルフ。
滅多に笑わず、愛想も無いため“氷の貴公子”と呼ばれている。
魔法の実力も剣の実力も折り紙付き。
宰相の息子で侯爵家三男、アルバート・ストライテン。
軽薄な雰囲気を纏い、周りに女性を侍らせている。女好きポジション。
積極的に“ヒロイン”を、口説いてくる。
国で1,2を争う程の商会を営んでいる男爵家の次男、ユリシリル・トラヴィス。
中性的な顔立ちで、弟分的な立ち位置。
可愛いらしい反面、男らしい部分も持ち合わせており、そのギャップがポイント。
それから悪役令嬢。
侯爵家の長女の、ソフィア・シュトロハイム。
第二王子の婚約者候補筆頭と言われており、学園の模範生でもある。
その立場と地位から、“ヒロイン”に度々注意をしてくる。“ヒロイン”の選択肢やパロメーターによって、その注意に嫉妬が混じりエスカレートする。
“ヒロイン”によって、友情エンドか、国外追放エンド、修道院エンドと何故か豊富にエンドがある。百合エンドまであるくらい。
それから、サポート的な立場のコナー・ハワード。伯爵家の次男。
“ヒロイン”が上手くいくように情報を教えてくれたり、協力してくれたりする。
正直、彼に何の得があるのだろうと思っていた。おまけに、攻略対象と悪役令嬢、隠しキャラの情報まで知っているって、顔広すぎじゃない? 一体、何者なのと疑問に思わずにはいられなかった。
けれどもまぁ、ゲームだし、必要なポジションだしなーと、深く考えるのを辞めた。
正直、1番推したいキャラである。
隠しキャラが居る情報はあったので、彼では無いかと期待したが違った。
攻略対象キャラを終えた後に、こだわりもせず攻略サイトを見たら彼の名前は無かった。……ちょっとショックだった。
あんなに一生懸命、情報をくれるんだもの、何でかなって思うじゃない。ちょっと期待しちゃうじゃない。普通にイケメンだし。
身近な感じだし、隠しキャラとしてもってこいじゃない?! と、思うのも仕方ないことだと思う。
期待したのは私だけじゃないはずだ。きっと。
それと、隠しキャラが3人。
公爵家嫡男で、第二王子の従兄弟であるディアレン・ラングフォード。
第二王子ルートに入ると登場し、“ヒロイン”を、口説いてくる方向で邪魔してくる。
自信家で俺様枠。
学園の人気教師、バーナード・ベイン。
貴族が通う学園なので貴族出身の教師は多く、彼も伯爵家の四男。
面倒見が良く、とにかく優しい。みんなに慕われている先生で、色々相談に乗ってくれる。
攻略対象シルヴァンの弟。
優秀な兄に負けないように、得意な魔法の腕をさらに磨き、その才能を開花させた。
4人兄弟(姉2人、兄1人)の末っ子のため上3人から大変可愛がられ、甘えるのが上手い。
兄とは正反対で非常に人懐っこく、無自覚のタラシ。
確認出来なかったのは、1学年下だから、まだ入学をしていないシルヴァンの弟だけ。
その他はみんな居た。
たぶん、弟も実在している。
さすがにここまで来れば間違いないだろう。
ここは乙女ゲームの世界である。
もし、それが妄想で、知っていたイケメンたちを元にそういうことを考えたのなら、私はすごい。
むしろそれを題材にお話書いて、大衆小説の作家としてデビューするわ!
と、思うくらいには開き直って受け入れた。
どうせやることは変わらない。
“関わらない”
それだけだ。
閲覧ありがとうございます。




