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教室に戻れば案の定、ニヤついたナタリーに捕まった。
「ミア、一体、どういうことなの?!どこで出会ったの?!接点あった?!」
「ぐ、偶然に会って……」
出会いに関しては、正直に答えるわけにはいかないので、口ごもってしまう。
さすがに、転ばせたのが縁で……なんて、言えない!私のためにも、フェリックの名誉のためにも。
「へーぇ?偶然に、ねぇ?」
当たり前だが、ナタリーは信じない。何よ、本当に、偶然だったらどうするのよ!偶然の出会いだって、あるでしょ?!きっと!私には無いけど!!
「何があったら、あんなに積極的にされるのかしら??」
ナタリーとは違って、純粋に疑問と言う顔で問うてくるハンナが辛い。ニヤニヤと茶化す気満々のナタリーよりも、悪意がない分、タチが悪い!
悪意が無ければ仕方ないなんて、ウソだ!
悪意が無い方が悪な時だってある!
「……あれが、いつも通りなんでしょ?深い意味など無いと思うけど……」
正直な感想を述べれば、ハンナは『う~ん?』と、不満げだ。
何故?
大体、あんな感じじゃない?
ヒロインにもあんな感じで迫ってたし。
女好きで有名なフェリックなら、不思議に思うことはないのでは?と思う。
ナタリーも私と同じことを思っているのか、ハンナを不思議そうに見ている。
「ハンナは、何が引っかかってるの?そりゃぁ、今までの傾向から考えたら意外だけど……」
……事実だけど、失礼だな。ナタリー。
そりゃぁ、フェリックの周りに居るご令嬢は見目麗しい方々ばかりですよね!
そんな人たちを周りに置いて、何故私?って、そりゃぁ、思うよね!私も思うよ!
でも、あれよね。
あんなことしたから、調査を兼ねてるだけよね。うん。私、怪しいものね。そうなのよね。
だけど、それを説明出来ないから、『?』と言うことになるわけで。
「そういうことじゃなくてね。いや、そういうことでもあるんだけど……」
「……?」
「えーと、基本的に、あの人って受け身だと思うのね。……そう見えないけど。でも、たまに自分から動く時もある。そういう時の人と、ミアはタイプが全然違うから、何か“特別”な意味があるのかな?って、心配になって……」
うーん、なんて言えばいいのか、分からないわ……と、首を振るハンナ。
その意外すぎる言い分はイマイチ分からない。
受け身?あれで?
どこが?
……いや、でもあれか。顔良し、家柄良しってなれば、勝手に寄ってくるのか。オマケに女性の扱いも完璧。自分から動く必要がほぼほぼない。
そう言われれば、そうかも知れない。
「と、とにかくね。心配なのよ!ナタリーもこうやって、茶化してるけど、ミアが心配だからこそで!」
うーんと、困っていたハンナだったけど、諦めたのか、急に私の手を握ってそんなことを言ってくれる。
……嬉しい。
「ハンナ!」
ハンナに暴露された、ナタリーは困ったように名前を呼ぶ。
でもね、ナタリー。私にも、分かってたわよ。
ちゃんと心配してくれてるって。
「むぅ。そりゃぁ、心配になるでしょ。噂はあくまでも噂でしかないけど、どう見てもミアの手に負える人じゃないもの」
私の視線で諦めたナタリーは、素直にそう言ってくれる。
ナタリーの意見はごもっともです。
アレは私の手には負えません。
だって、魔王だもん。怖いもん。何考えているのか、さっぱりだもん。
でもね、そんな心配ご無用よ。
その“特別”な理由も、私が彼を転ばせた犯人って言うなんとも言えないものだし、別にそう言うあまーいソレじゃないから、大丈夫。そう言うのは、ヒロインの仕事でしょ??
私には関係ない。
「二人ともありがとう!でも、大丈夫よ!すぐに飽きるでしょ。私なんてほら?普通だし。……今まで周りに居たタイプと違うから目に付いただけで、でもすぐに、大したことないってなるに決まってるわ!」
私が自慢げに言えば、二人は何とも言えない顔になる。
え?
何でそうなるの?
もしかして、ロマンスの定番だとでも思ってる?
アルバートとヒロインみたいな。でも、ヒロインって可愛いし、いい子なのよ。ちょっと、アレなとこもあるけど、そこも可愛いでしょ。守ってあげなきゃ的な。私とは大違い。
ナタリーが、何か言おうとしたけれど、教室に先生が入って来たので、授業開始のチャイムが鳴ったので、しぶしぶ席に戻った。
「ミア。……あいつは、来る者拒まずだけど、基本的に自分からは動かない。ハンナが気付いてたのは、意外だけど、それは確かだ」
小声で言われ、私はビックリしてジャックを見る。
そう言えば、ナタリーと一緒に揶揄ってくると思ってたのに、大人しかったなと思う……けど、そんなことより!
え、何?
ジャックって、フェリックとも、仲良いの??何なの?あんたこそどこに、接点あんのよ??
「だから、うーん、そうだな、なんて言うか……頑張れ」
……。
「え?そこは、気を付けろよとか言うとこじゃないの?」
頑張れって何よ?
しかしながら、この会話も、先生が現れたことによって、強制終了になる。
何とも消化不良である。
授業が終わって、フェリック(ジェラルド様)と仲良かったの??って聞いても、何やかんかはぐらかされた。
やっぱり消化不良である。
それにしても、頑張れって何だ。
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