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星降る夜に、君の隣で。  作者: 麻象 塔
12/18

♯10.5 来週の私へ

隣の部屋からテレビの音がする。野球のナイターだろう。実況の忙しげな喚声がヘッドフォン越しに聞こえてくる。親父が横になりながらビールを飲んでいる姿が目に浮かぶ。私はスマホの音量を上げると、ベッドから起き上がり、小学生の頃から使っている勉強机に腰を下ろした。


 大学ノートとペンを取り出すと、月明かりを頼りに今週を綴る。


——今週はびっくりする事が二つも起きた。


 まず一つは目は同一化。あのませた小学生が、私の精神に入ってきた。突然の出来事に、私は今もまだ信じられないでいる。あまりにも現実感がなかったからか、逆に冷静になれた。おかしいよね、こんなアニメや漫画見たいなことが起こったのに。


 二つ目は瑠美に会った事。いきなりの事だったから、目が合う前に逃げてしまった。失敗だ。なんでちゃんと話さなかったんだろう。いつもの心療内科の先生とは何時間だって会話が出来るのに、なんで…


 今日、この町の心療内科に行った。新しく行く心療内科の先生に、先日起きた同一化の話をしたら苦い顔をされ、いつもとは違う薬を処方された。仕方ないよね。こんな非現実的な話をされても、信じる方がおかしいと思う。私が心療内科の先生だったら同じような反応をしてしまうかもしれない。


 帰り道、あの場所に行こうと思ったけれど、やっぱりやめにした。あのませた小学生に私の心が見透かされてしまうかもしれないと思うと、行くのが急に怖くなった。

 だから来週の私へ。あまり無理はしないでね。平常運転でよろしく。


 あと禁煙——


 弱虫な私から来週の私へ。


 柏 佳香

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