幕間『†紅の双剣士†』
幕間です。
無駄に文字数あるけど肉はほとんどないです。
Illusi-Onlineは割合古いゲームである。
歴史あると言う程の重みは無いかもしれないが、7年という月日を一日も休まずに稼働し続けてきたと言い張れるほどにはVRゲーム界隈でも古参のゲームだ。
しかしながら良ゲーか、神ゲーかと問われれば「そうでもない」と評価してしまうのが過去現在を含めたプレイヤーの心内である。
痒いところに手の届かないシステム、頑なにミニマップやら格闘家への温情やらを実装しない運営。ヒントどころかチュートリアルにさえ書かれていない創世神話関係の話。
ほとんどが説明不足で、故に楽しみを見つけられずに離れて行ったプレイヤーも少なくないにもかかわらず、運営はその態度を改めようとしない。
実際数多のオンラインゲームの紹介を行っているサイト等レビューには、「グラフィックは美麗で秀逸」「戦闘が楽しい(一部除く)」「運営がゴミ」「運営さえまともなら日本一有名でもおかしくない」「荒らしは既にほとんどいない(運営が何もしないから)」「戦闘が苦手ならカメラマンとか観光組としてでも生きていける(運営が何も対応しないから)」etc.
と、これだけの散々な酷評を得ているにも拘らず、サービスが終了してしまわないのには大きく2つの理由がある。細々とした物は他にもあるが、大きく分けて2つだ。
1つは、湧いて出る謎の潤沢な資金源及びスポンサー。
イリュオンは様々な企業・商品とのコラボを行ってきたのだが、しかし「え、なんで今?」とか「それ、なんか関係あったっけ?」と首を傾げざるを得ないようなコラボが多々あった。ネタ武器シリーズのお菓子関係などはその最たる例で、他にも農耕機械だとか漁業関係だとか、果ては宇宙事業までと幅が広い。
どこでそんな所とのコラボを取り付けてくるんだと言われんばかりの顔の広さで、しかも特にキャンペーンなどをしているわけでもない謎な時期にコラボをするものだから、それを楽しみに続けるという奇特なプレイヤーまで現れる始末である。
とはいえこの大勢のコラボ企業及びスポンサーは、常に出資しているわけではない。むしろコラボ企業側は大失敗の誹りを受ける可能性があるくらいだったりする。
アイテムだけ残して早々に手を引いて、偶にネタ武器として出てきて宣伝になる、くらいの気持ちしかないのだ。
コラボの頻度もそれほど高いとは言えないので、ならばその穴埋め期間、どこからお金が出ているのか。
課金王個人の課金額では当たり前だが全く足りないし、プレイヤー全員の分を集めてもサービスし続けるには普通に足りない。
ならばどこから。
答えは「謎」である。
どこから、誰から、どれほどの資金を得ているのか……全てが謎。全くの謎。
イリュオンを経営している会社の株を買った、という人間の情報も全く出てこない辺りは不気味ささえ感じる事だろう。
「実はヤのつく人が運営している」「運営企業は隠れ蓑で、実は大手電機会社の社長が趣味で運営している」「プレイヤーの生体エネルギー(つまりやる気)を吸収して運営のためのエネルギーに変換している」「どこぞの秘密主義の極まった地域で運営してんだから情報なんて出てくるわけねーだろ」等々、黒い噂ばかりが横行するのも仕方のない事だろう。
とまぁ、長々と語ったが、イリュオンがサービス終了しない理由の1つ目が、この「謎の資金源」であるという事がわかってくれればいい。
次の理由として、「カムバックユーザー」の存在である。
一度は離れ、しかしあの美しい世界をもう一度見たいと帰ってくるユーザー。
この存在のおかげでプレイヤー人口がほぼ一定になっていると言っても過言ではない程だ(新規参加があるはずなのに一定な時点で減っているのだが)。
彼等もまた「はー、わざわざこんな時期に」「なんかあったの? ……なにもなかったの?」といった感じで一定数が帰ってくるので、レビューには「なんか帰ってきたくなる」などと書かれる事もしばしばである。
開始当初からぶっ続けでプレイしている極少数と、新規参加するプレイヤー(ほとんどが紹介)、そしてカムバックユーザーがイリュオンをサービス終了に追い込まない理由の2つ目だ。
まとめると、何故続けていられるのかは「謎」の一言に集約するのだが、問いただすほど焦燥に駆られているプレイヤーがいるわけでもないので、精々アンチ板やら運営を扱下ろす時に引き合いに出される程度の「謎」だったりする。
さて、つらつらと思考を重ねた末の結論としては些か雑な物となってしまったが、つまり何が言いたいのかというと、だ。
「へーい、黙ってんなよネェチャン。 どうよ、この後俺達としっぽりイカねェ?」
「あ、それとも俺達みたいなイケメンに言い寄られて声も出ない? 初心な子、好きだぜ(フワァ)」
こういう輩は、こういう古い輩は、古いゲームであるこのイリュオンにおいても相当に珍しい、「謎」な存在であると言う事だ。
私、マッカダナーこと間宮紅美は所謂ところの中二病、の……成れの果てである。
中学1年程の頃に兄が謎の失踪、さらにはそれを私以外の人間が誰も覚えていないという奇妙な状況に陥った時、私は自身が「悲劇のヒロインないしは兄を探す旅に出る系主人公」であるという事を信じて疑わなかった。
何かあるはず、何かあるはずだと意味も無く街を徘徊したり、指先に集中して「気」が出ないか、集まらないか試したり。
中二真っ盛りな行動をとった挙句、何も起こらない事に憤慨した私はゲームに走った。
兄の遺した(こういうと死んだようだが)当時は高級だったVR機の中のIllusi-Onlineのアカウントを消して、新規登録。 今思えばそれなりに残酷な行為なのだけれど、失踪したまま連絡の一切を寄越さない兄さんが悪いので私は悪くない。
とまぁ尖っていた私は、キャラメイクも勿論尖っていた。
名前を自分の字からとってマッカダナーにして、初期のカラーも全部赤に揃えた。
失踪した兄のお金が何故か私のお金になっていたので、これ幸いにとカラー変更課金アイテムを買いまくって全部真赤にした。 マッカにした。
いくつか持っている双剣全部をマッカに染めているし、新しく手に入った武器でもマッカに染めない限りは使わない拘り。 それなりに運動も出来たし、何より自身が特別であると疑っていなかった当時の私は地道な修行というのも全く忌避せずに行えた。
なんだかんだ言ってトッププレイヤーには入らないものの「精鋭」と呼ばれる程には強くなった頃、ずっとソロだった私にようやくスカウトがかかった。
何故こんな有能にして特別な私を引っ張りだこにしないのだろう、あぁ、でも孤高のプレイヤーっていいなぁ。 なんて悩んだり言い訳したり、まぁ今にして思えばボッチ感満載な私をスカウトしたのは、「古城の砲門」という……こう、割と琴線に引っかかる名前のギルド。
当然コミュ……もとい†孤高の赤き双剣士†を自称していた私は1つ返事で入る、なんてことは無く、一応見学と言う事で仮参加したのだが。
そこで私は、漸く自らが特別でない事を悟るのだ。
スカウトしてきたギルドマスター――セインと名乗った――は軽いノリと軽薄な口調とチャラチャラした感じの態度が目立つプレイヤーで、しかし一度たりともPvPで勝つ事が出来なかった。
サブマスターのグッニャグニャ、サイバー太郎、クレバー伊藤には勝てたのに、セインには一撃も入れられなかった事でまず折れて。
私のこの態度を「中二乙」と真正面から叩きつけたヤレナカッターマンや逆縞京太郎のおかげで(せいで)中二病という物の存在を知り、赤面して。
そして破壊王01に見せられた映像――課金王と名乗るプレイヤーの、その在り方に魅せられて、私はようやく目が覚めたのだ。
特別なのは私ではなく、この方なのだと。
そんな黒歴史のせいかギルドメンバーは私をからかいの対象にしてくるし、名前をわざと間違えて私の反応を楽しむといういじめっ子みたいな集団と化しているが、まぁそこは別にいい。 私も楽しいし。
困っているのはそこではない。
問題は、彼らが私を女扱いしない、という事だ。
いやちやほやされたいワケじゃない。 今更そんなことされてもキモイ。
そうじゃなく、あくまで私は男性経験どころか男の人と手さえ握った事の無い初心な少女であり――、
『クレバー伊藤:ナンパされてて笑う。 がんばれマッカーサー!』
『サイバー太郎:え、どこどこ。 見に行くから教えてくれェ!』
この状況を全く以て助けてくれない程度には、変な信頼を受けてしまっているという所である。
「ネェチャン、いいだろ? 大丈夫だって、エッチな事はしねェからさ」
「そそ、お茶飲むだけ。 なんなら奢ってやるぜ? へへ、こう見えても俺はそれなりに金持ってんだ(フワァ)」
中二病が治ったとはいえ、厨二病に罹っている私はセキュリティを付けていない。
グロテスクな描写や性的なワードに規制がかかっていないので、普通に聞こえてしまうのだ。
これが小学生のセキュリティだったら勝手にピー音が入ったり、度が過ぎれば強制退去に垢消失、なんて事もあるのだが(それくらいは仕事をする運営で良かった)、このナンパ2人はある程度弁えているのか身体に触れてくるような事をしてこないのが厄介だ。
触れられればセクハラとして通報できるのだが、「楽しく会話していただけ」「道を聞いていただけ」と言われれば黙ってしまうのが無能運営の本領発揮。
こういう輩と遭遇した時はどうすればいいのかをグッニャグニャに聞いた時は、「黙ってるのが一番よ。 反応しない事。 あんまりしつこかったら私を呼びなさい。 PvP仕掛けて叩き潰してあげるわ!」とそれなりの解決案と頼もしい事を言ってくれたのだが、そんなグッニャグニャは現在オフライン。 肝心な時にいないサブマスターである。
ついでに言うとギルマスもリアル事情だとかでここ2週間ほどインしていない。 まぁあの男に助けてもらうのはなんか癪なので頼る気も無いのだが。
「あれェー? 無視されてる? ひどいなぁ……悲しいよお兄さんは」
「まぁ美しい君を見ているだけで俺達の心は満たされるけれどね(フワァ)」
しょうがないにゃぁ……と言える程の図太さは持っていない。
下卑た視線は普通に怖いし、性欲の捌け口になるとか真っ平御免である。
助けを求める為にクレバー伊藤の方を向けば、今もなおサムズアップしたままの奴と周囲に群がってきたサイバー太郎、ヤレナカッターマン、破壊王01が口パクで「行け! 行け!」だの手でハートマークを作って心臓の位置でドクンドクンドクンというジェスチャーをするだの、全く助けてくれそうにない。 死ね。
さてどうしたものかと困っているわけで。
本当にどうしたものだろう。
「ねぇ、話聞いて――」
「あ、お姉ちゃん! 探したよー!」
「――あん?」
と、これまた古い助け方(と言ったら失礼極まりないのだが)で、乱入してくる者があった。
赤毛の、NPCっぽい顔立ちの青年。 人懐っこい笑みを浮かべて、なんとなんと、こちらの手を握って来たではないか。
『クレバー伊藤:おおおお!? ナンパ女子を助ける爽やか系イケメン!? 古ッ!!』
『サイバー太郎:つかあのイケメンどっかで……』
『ヤレナカッターマン:マッカーサーがマッカーになってるぜ! 照れてる照れてる!!』
『破壊王01:後でギルマスにも見せたろ。 SSちょっと遠いけど、映るかな』
こっちがチャットできないのを良い事に言いたい放題の面々に殺意が湧きつつ、しかし男の人に手を握られ、引き寄せられるという経験に顔が紅潮しているのも事実だった。
だが、この古い展開がお約束通りのものであれば、この次の流れも同じ。
「ちょ、待てよ兄ちゃん。 今俺達がその子と話してンだよ。 横取りは良くないぜ?」
「なんなら君も混ざるかい? 俺達の後になるけれど……早い者勝ちではあるからね(フワァ)」
使い古された文句だ。 あと後ろの奴はもう少し取り繕うべきだと思う。
完全にヤる気まんまんじゃないか。
そんな言葉を言われた赤毛の青年は、
「横取りって……この子と約束してたのは私が最初なんだけど? ま、そっちが欲しいって言うんならこっちにも考えがあるよ。 PvPして勝った方が約束を優先できる形で」
なんて事をのたまった。
『クレバー伊藤:うぉぉぉおおおお!! 何このイベントシーン! マッカーサーヒロイン!? 似合わねえええええ!!』
『ヤレナカッターマン:大草原不可避』
『破壊王01:しかしあの野郎なんかカマいですな。 ワテも口調崩れまくりんぐな自負はありますが、あそこまでカマくはないですぞ』
『ヤレナカッターマン:ワテて』
ギルチャに目を向けている内に会場はボルテージヒートアップ。 私が商品で、1:2のPvPを行うことが決定していく。 私は何も言えず、しかも手を握られたまま。
あれ、これが特別? ヒロイン?
「んじゃコロシアム行こうぜ。 俺の長剣裁きに酔いしれな」
「曲刀、君の血で汚れてしまうのが残念だ……(フワァ)」
「その曲がった根性……ぶんなぐる!!」
あれ、目的変わってませんかと問いたくなるようなテンションの上げ方をしている赤毛の青年と私を伴って、一行(という括りにされたくはないのだが)はコロシアムへと入る。 丁度ネクサリアにいたのが失敗だった。 あとギャラリーついてくるな散れ。
「で、兄ちゃん職業は?」
「格闘!」
「――……は? 格闘? 格闘で俺達に挑んだのか? っぷ」
「不遇職……情弱か。 可哀想に、しかしここで負けるのも君の為だよ(フワァ)」
格闘家と聞いて、不安9割期待1割が心中を支配する。
PSが全て物を言う職業格闘家(まぁ無職もだけれど)。 見た所防具は布の服という馬鹿にしているんじゃないかというもだけで、ナックルは中堅ボスのドロップ品。 武器だけ良い物にした新規勢にしか見えない。
けれど、同時にある人の事を思い出す。
私が陛下と呼び慕う課金王……その周囲にいつも控えている、P.f.k.と名乗るプレイヤー。 いつもというほどいつもではないし、そのプレイヤー単体の事もあるのだけれど、何故か親し気に2人だけでいる事が多いので記憶に残っていた。
その人も格闘家だ。 しかもめちゃくちゃ強い。
『クレバー伊藤:あー、あのイケメン確かギルマスの知り合いの……』
『サイバー太郎:やっぱそうだよな? なんか見覚えあると思ってたんだ』
『マッカダナー:強い?』
『クレバー伊藤:ゲーム内じゃ知らんが、リアルじゃギルマスが勝てない相手って言ってたな。 つか災難だったなマッカーサー』
『マッカダナー:マッカダナー、だ。 そう思うのなら助けろ』
『ヤレナカッターマン:顔までマッカダッタナー』
『マッカダナー:シネ』
『破壊王01:その時のSSがこちらです。 っ[画像]』
『クレバー伊藤:ナイスコラショ』
『サイバー太郎:仕事はえー』
『マッカダナー:消せ!! 肖像権侵害で訴える!!』
『ヤレナカッターマン:今日のマッカーサーはレスポンス早いなー』
「……嘘だろ。 なんだよ、その強さ……」
「格闘家は不遇職でも、強くないわけじゃないんだよ!!」
あ。
ギルドチャットをしていたら、最初の試合が終わっていた。
長剣使いvs格闘家は格闘家の勝ち。 あの赤毛の青年、やはり実力者の様子。
次なる相手は曲刀使い。 トリッキーさこそ気を付けるべき曲刀であるが、火力の無さが欠点。 とはいえ相手の青年は布の服一枚と低防御。 これは危ないか、と思わないでもない。
「フ……」
「殴り殺す……!」
両者構え、機械音カウントダウン3,2,1。
スタート。 曲刀使いにアッパーが決まったー!
「え」
思わず声が出てしまった。
な、何が起きたんでしょうか。 全く私には見えませんでした(劇画調)。
『クレバー伊藤:何あの踏込みコワ』
『サイバー太郎:凄まじいagiなのか、それとも……』
『ヤレナカッターマン:あれは……まさか、古の技術・縮地!?』
『サイバー太郎:知っているのかカッター!』
『クレバー伊藤:知っているのかカッター!』
青年はアッパーカットで浮き上がった曲刀使いの腹に追撃を入れる。 くの字に曲がる曲刀使い。 なんかブジュツを感じる。
更にそのまま手を光らせつつ曲刀使いの腹を掴んで引き戻し、もう片方の手を青く光らせて地面へ叩き付け。
コロシアム内ゆえにHPが一律のせいで、恐らくレベル差なり装備差なりが多少なりとあったであろう2人は、しかしこの短時間で沈む事になった!(集中線)
「く、覚えてろよー(意訳)」
「ここは華麗に立ち去るとしよう(フワァ)」
な感じで存外後腐れなく去って行ったナンパ2人組を見送って、現在。
「ふぅ……なんか私のPvPがメインになっちゃって、ごめんね。 逃げてくれても良かったんだけど……」
「い、いや……感謝、する」
この凝り固まったキャラ付の口調もぼっち時代の名残だけれど、このままリアルでの女の子女の子しい口調に変えた所で違和感しかないので戻すつもりはない。 というかリアルでもこっちの口調になる辺り危ない。
にこっと笑った赤毛の青年に少しだけドキっとするけれど、記憶に或る兄さんの方がカッコ良かった気がするので惚れたりしない。 というかそんな一目惚れは幻想。 陛下は例外。
「あ! 忘れてた。 私はkana0729。 カナって呼んでね!」
「む、あー……私はマッカダナーだ。 改めて、助かった」
「マッカダナーちゃんだね!」
大仰な身振り手振りとテンションの高さはどこか陛下を思い出す。 まったく似ていないのに。
それにこの子、青年のアバターだけれど……。
「答えたくなかったら良い。 もしかして、女?」
「あー……やっぱりばれちゃう? まぁ隠す気もなくなってたんだけど……。 うん、ネカマって奴になるのかな」
「そう……。 ナンパとか、対応がわからないから、ありがとう、カナ」
「どういたしまして!」
丁寧な口調にしようとして、迷って、結局カタコトのような口調になってしまった。
しかし中身が女の子と分かって大分スッキリした。 まぁ虚偽の可能性は0じゃないのだけれど、仕草とか口調の節々に同性を感じる物があったから、本当に女の子なのだろう。
『クレバー伊藤:このまま禁断のレズに落ちたりしないのか?』
『サイバー太郎:来ましたわぁぁぁぁああああ!!』
『ヤレナカッターマン:挙式はいつだ』
ないから。
同性に恋するとか、無いから。
けれど、
「あ……フレンド交換……いいか?」
「ん、おっけー。 私はまだ始めてから2週間くらいだからあんまり力になれないかもだけど……困ったことがあれば呼んでね。 今日みたいなナンパ撃退でも飛んでくるからさ!」
「2週間……だと……」
なるほど……先程の試合はつまり、OPSだったのか……。
ナンパ2人は前口上を述べすぎてOPを失っていたんだ。
それを縮地とかいうOP溢れる技術を扱うカナの前でやったのだから、瞬殺されるのは当たり前。 流石私の中二時代の愛読書なだけはある……ッ!
「あ、そろそろご飯かな。 じゃ、またね。 マッカダナーちゃん!」
「う、ん……。 またね、カナ」
ばいばーいと手を振って消えるカナを見送って、振り返る。
そこにはニヤニヤ顔のギルメン一同(一部除く)。
「惚れた? 惚れたかマッカーサー!」
「今のご時世に……いいフレンドがいたなマッカーサー!」
「すっごーい! 君は赤面するのが得意なフレンズなんだねマッカーサー!」
我が双剣の錆と成れ――ッ!
というわけで、マッカダナーピックアップでした。
彼女のお兄ちゃんは別作品でなんかやってますけどこっちの世界で関わる事はないです。




