槍使いと忍者の募集
チャット回。
このIllusi-Onlineにも、MMORPGらしくギルド、という物が存在している。 プライマの街に存在するギルドハウスとはまた別の……所謂、チームやクランといった役割をしているものだ。
運営側がソロでいようとギルドに入ろうとどちらでも構わないというスタンスをとっており、その恩恵も平等と言えるモノになっている。
特別な恩恵が一切ないのだ。
強いていうなればギルドチャットを使える事だが、パーティを組んでしまえば同じことができるし、メール機能も充実している。
ギルド所有の建物を買う・造ることも可能だが、個人所有の建物だってそれは同じだ。
徒党を組みたい者のために、その集まりに名前を付ける事ができるシステム。 プレイヤーのギルドの認識はその程度の物だった。
だからというわけではないが、課金王はギルドに所属していない。 ソロで狩りを続けている。
課金王自身がギルドに所属していないにも関わらず、『課金王近衛部隊』という名のギルドや、『課金王閣下を崇め隊』などというギルドがあったりするのだが。 一応課金王も許可を出している。
さて、先程恩恵は一切ないと言ったが、ギルドチャットという物にだけ目を向けてみると、一つだけソロでは適わない事がある。
それは、緊急時のパーティ募集だ。
ゲーム内から開く事が出来る掲示板で募集するのも手ではあるのだが、それだと聊か時間がかかる。 それならば、オンラインであるギルドメンバーに手伝ってくれる人はいないか、と聞いた方が確実で早いのだ。
勿論引き受けてくれない場合は掲示板となんら変わりはないのだが、基本的にイリュオンを昼間からやっている連中は暇人である。 攻略組や戦闘組のプレイヤーなら、見た事のない敵と戦えると聞けば喜び勇んで食いついてくるし、観光組や生産組なら伝手を使って人を集めてくれる。
そういう理由から、セインとシュリはギルドに所属していた。 同じギルドではないが。
※『』はギルドチャット
『手裏剣大好き:急募するッスー。 職種は範囲攻撃可能な奴かタンクで、人数は10人ほど。 正直アタシじゃ手も足も出ない程の敵が出てくるッスから、そいつの足止めを依頼するッスー。 報酬は10Mで』
『もっつぁらら:まず挨拶をしなさい。 で、10Mって何? 打ち間違い?』
『手裏剣大好き:ギルマスこんちわーッス。 打ち間違いじゃねーッス。 1人頭10M払ってもいいくらい強い敵ッスー。 足止め出来たらそんくらい払っても全然かまわないッスー』
『†暗黒のガチタンク†:乗った! シュリ、ガチだな!』
『手裏剣大好き:はいガチタン1人―。 @9人ッスー』
『ホワイトマジシャンボーイ:魔法職でも可?』
『手裏剣大好き:範囲系覚えてるッスか?』
『ホワイトマジシャンボーイ:氷系なら全種類揃えてるけど』
『手裏剣大好き:じゃあ大丈夫ッスー』
『ホワイトマジシャンボーイ:じゃあ乗った』
『手裏剣大好き:@8人ッスー』
『ryouhei831:つか、うちのギルメン10人必要ってどこのラスダンだよww』
『もっつぁらら:たし蟹』
『もっつぁらら:確かに』
『手裏剣大好き:流石ギルマス誤字乙ッス。 雑魚敵が220って言えばわかるッスか』
『†暗黒のガチタンク†:220? は? レベルが?』
『ホワイトマジシャンボーイ:最近見つかった地下水脈が130じゃなかったっけ?』
『ryouhei831:どこのラスダンだよwwww』
『手裏剣大好き:それがラスダンじゃないっぽいんスよねー。 他いないッスかー』
『ヘルウインド:ノ』
『手裏剣大好き:ヘルちゃんこんちわー。 @7』
『もっつぁらら:ヘルちゃんこんにちは。 じゃあ私も行くわ』
『手裏剣大好き:ギルマス愛してるッスー。 @6』
『ヘルウインド:フレ呼んでも?』
『手裏剣大好き:むしろありがたいッス。 何人っスか?』
『ヘルウインド:2』
『手裏剣大好き:んじゃ@4ッスねー』
『10円の為に生きる女:はいはーい! 弓使いは要りませんかー!』
『手裏剣大好き:アタシより速く動く敵に矢を当てられるなら』
『10円の為に生きる女:やめときまーすwww』
『ryouhei831:シュリってagiいくつだっけ』
『手裏剣大好き:870ッス。 装備込みで』
『ryouhei831:馬鹿じゃねーのww行くわww』
『手裏剣大好き:@3ッスー。 これくらいッスかねー』
『もっつぁらら:南とマキマキは離席してるからいないわよ』
『手裏剣大好き:あらら。 んじゃ〆ッス』
『手裏剣大好き:集合時間は15時丁度で、集合場所はプライマの噴水前ッスー』
『†暗黒のガチタンク†:了解―』
『ホワイトマジシャンボーイ:15時だね。 ポーション準備してこよう』
『ヘルウインド:わかった』
『ryouhei831:耐久修理してこねーとだなww』
『もっつぁらら:軽くギルドイベントじゃない』
『10円の為に生きる女:いいなー。 やっぱ行こうかなー』
『手裏剣大好き:来ただけの奴に渡す10Mはねーっすよ』
『10円の為に生きる女:やっぱやめときまーすww』
ギルド『ラジャネーレダロー』のギルドチャットから抜粋。
『セイン:メンバー募集するぞ。 職種は範囲攻撃可能な奴、もしくはタンク』
『グッニャグニャ:ギルマスこんちわ。 報酬は?』
『セイン:1人頭10M。 破格だろ?』
『サイバー太郎:破格すぎて怪しいレベルなんですけどそれは』
『グッニャグニャ:そもそもギルマスがメンバー募集するとか何事』
『セイン:大事。 ソロでクリアしたかったが、無理だと判断しただけだ』
『クレバー伊藤:太郎が行くなら俺も行くけど』
『サイバー太郎:んじゃ行くわ。 ギルマス上限何人?』
『セイン:5人くらいだな。 うちから出すのは』
『グッニャグニャ:うちから? どこかと連携すんの?』
『セイン:ラジャネーレダローから10人くらい持ってきてもらう予定だ』
『サイバー太郎:大手キター! どういう繋がり……ってあぁ、あのロリータか』
『クレバー伊藤:でもギルマス、この前プライマでカワイイ女子大生っぽい子つれてたぞ。 アバ男だったけど』
『グッニャグニャ:mjd? ギルマス守備範囲広すぎィ!』
『セイン:余程死にたいらしいな。 あと伊藤。 あいつはカワイイなんてもんじゃない。 エグイイだ。 手を出したら多分俺が死ぬ』
『クレバー伊藤:怖ッ!? え、ギルマスってリアル格闘家なんじゃなかったっけ』
『セイン:あぁ。 その俺が、リアルのあいつにボッコボコにされたといえば……わかるな?』
『グッニャグニャ:やっぱ手出してんじゃないすかやだー! 意味が違うけど!』
『マッカダナー:ノ』
『クレバー伊藤:何がだよww』
『サイバー太郎:相変わらず遅いなマッカーサー』
『マッカダナー:マッカダナーだ!』
『グッニャグニャ:早い!』
『クレバー伊藤:そこだけなww』
『セイン:マッカーサーも来るって事で良いんだな』
『マッカダナー:マッカダナーだ! いいぞ』
『グッニャグニャ:早い!』
『サイバー太郎:んで、どこなん? いくダンジョンは』
『セイン:ヴィンティルの霊峰ってとこだな。 クリア者は2人な』
『グッニャグニャ:ヴィンティル? あれ、それって創世神話』
『サイバー太郎:いやソレよりもクリア者2人ってなんだよww』
『クレバー伊藤:どこの未踏の地?』
『セイン:俺も正確な位置は知らね。 課金王の恩恵だよ』
『マッカダナー:閣下!』
『グッニャグニャ:早い!』
『破壊王01:課金王とな! セイン! 俺も行くでござるよ!』
『セイン:口調統一しろ。 つーか課金王に反応しすぎだ』
『破壊王01:ごめんくちゃいな! だって課金王に憧れてんだもーん!』
『セイン:課金王はこないけどな』
『破壊王01:は? じゃあ行かねえよヴォケ』
『クレバー伊藤:この掌返しである』
『セイン:んじゃ、行くのはグニャグニャと太郎と伊藤とマッカーサーだな。 〆』
『破壊王01:ケッ……がんばってー』
ギルド『古城の砲門』のギルドチャットから抜粋。
ほとんどチャットである。




