オレ達ど根性部!
いきなり自己紹介をするが、オレの名前は嵐山虎太朗!
高校一年16歳!
この【ど根性部】の部長だぁ!
なんとなく心の中でそう叫びながら、オレの最高傑作の絵が描いてある部活動紹介のポスターを廊下の壁に貼っていた。
いや、マジでオレの中では最高傑作だと思うよ!?
だってオレ以外の人がこの絵を見ると感動しすぎてその場で笑いだすんだぜ?
オレはドヤ顔でポスターを貼り終え、部室に向かった。
なんだ?こんな部活に部室がねえとでも思ったのか?
フッフッフ…残念だったな、オレのど根性魂があれば部室ぐらい簡単にできるんだよ!
部員は未だ2人で今週中に4人以上入部しないと即廃部ってことになってるけどな!
オレは勢いよく部室のドアを開け、なぜか前転をしながら中に入った。
「ってリョウちゃんきてたのか」
「きてたのかって…トラが無理やり入部させたんだろが!!」
この、オレが前転の途中でぶつかった目つきの悪い青年が、オレの小学校?だったっけ、まあそんくらいの時からの幼なじみ 花宮亮太である。
で、このど根性部の部員の1人である。
「でよー、こんな訳のわかんねー部活に入る馬鹿とか本当にいんのか?」
ん?今何か余計なことを言った気がするけどまあいいや。
「フッフッフ…部員のことはもう大丈夫だぜ!何せオレがポスターを貼ったからなぁ!!」
そう言った途端にリョウタはいきなり廊下に飛び出て、数秒後にグチャグチャになったポスターと共に帰ってきた。
お…オレのポスターがぁ…
「よし、今のはなかったことにして、マジでどうすんだ?このままじゃ、即廃部なんだろ? まあ、オレはそれのほうがいーけどよ」
リョウタはポスターをさらにグチャグチャに丸めて、ゴミ箱に向かって凄い勢いで投げた。ゴミ箱の中に入ったのは入ったのだが、勢いが強すぎたせいでゴミ箱が吹っ飛びオレの頭の上に被さった。
「じゃあ、実際にど根性ってイメージを出しながら勧誘すればいいんじゃねえか!?」
うん、それナイス考え!流石オレ!
オレはゴミ箱を被ったまま、ポンっと閃いたように手を叩く。
「そんな意味のわかんねーことを何自信満々に言ってんだ馬鹿」
「いーや、意味わかるぜ?根性見せればいいだけなんだからよ、そんな感じの奴をみんなの目の前ですればいいんだよ!」
オレの満面の笑みをみたリョウタは嫌な予感がしたのか、オレはやめとくと言って廊下に出ようとした。
勿論そんな事はさせませんー。
オレはリョウタの腕を引っ張り、再び部室の中へ戻す。
「…で、具体的にどんなことをすんだよ…内容によっては帰らせてもらうからな」
「ん?ああ、帰らせねーよ。具体的にかー、あれとかどうだ?ロケット花火」
「即答だな、おい…。ってロケット花火でなにすんだよ」
あー、そうだな、なんかおもしろいのねーかなー。あ、そうだ。
「1人がロケット花火を投げてその全部をもう1人が正面で受け止めるってのはどうだ!?」
「じゃあ、オレが投げるからトラは受け止める方な」
え?なんだって?オレが受け止める方?………なんでだぁぁー!!!
この後オレが何度反抗してもオレが受け止める役ということは変わらなかった。
こうして、オレ達ど根性部の最初の活動がはじまったのであった。