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ある日、机に落書きがしてあった。
これは、いわゆる今で言うイジメってやつだ…
誰…?誰がこんなこと…
そこに一人、冷静に本を読んでる人がいた。
しかも、その本を逆にして読んでいた。
つまりあいつは、読んでいるフリをしている。
「あんたね?これやったの…なんで…」
「だとしたら?もし、僕がやりましたって言って、君は僕を許せるかい?」
許せる…?許せるわけない。
「だから…!なんでこんなことしたの?」
「ストレスだよ!君たちみたいなバカは、僕の邪魔ばかりをする。だからさ。」
「邪魔なら邪魔だってはっきり言えばいいじゃない!こんなことする必要なんて…」
「分かってないな…。僕は君にストレスが溜まってたんだよ!」
その口論の中、先生が来る…
「あ、先生…」
先生はさっきから廊下にいたと思われる。
私のクラスは一番端のクラス。
だから、先生が通ったらすぐ分かる。
だが、先生が来たときは全然気づかなかった。
ということは見て見ぬふりをされていた、ということだ。
「どうしたんですか?緑井さん。」
先生も生徒も…もう信じられない。。
「いえ…なんでもありません…」
「そうですか…早く席着きなさい。」
私だけなんで席に着けと言われてるんだろう…
私の真横にいる、どっかの優等生さんは座らなくていいのか。
いや、私だけ…なぜか軽蔑されてるのだ。
お兄ちゃんが死んじゃったから…?
お兄ちゃんが死んだらみんな軽蔑するの?
確かに私はほかの子とは違うだろうけど、軽蔑される理由が見当たらない。
バタンッ…
私は席を立ち、教室から抜け出してしまった。
「もうヤダ…もう…」
こんな世界…みんないなくなればいいのに…
私は涙を流しながら走っているとある人にぶつかった。
「君?大丈夫?」
この声はお兄ちゃんの声にそっくりだった。
「お兄…ちゃん…?」
いや、そんなバカな…
お兄ちゃんは死んだはずだ。
「お兄ちゃん?この俺が?」
やっぱり違った…恥ずかしい…
知らない人にお兄ちゃんだなんて…
「ごめんなさい。人違いでした…」
私はあのとき思ってしまった。
あの人がお兄ちゃんだったらいいのに。と。