雪原の攻略戦
どうも(^o^)/
何だかんだで書いて行っているこの小説ですが、やはりオリジナルの設定は難しいですね(^_^;)
やはり基準がガンダムになってしまいます…
ガンダム好きだからです…
今回は、極寒のロシアにおける拠点攻略戦という設定です。
それっぽく書けてれば良いな…(  ̄▽ ̄)
足元を拡散ビーム砲の火線が掠めて過ぎた。
雪を一瞬にして蒸気へと変え、前方の視界を遮る。
「大口径キャノン砲に拡散ビーム砲、火力が違い過ぎるな…」
ライラ・バズはフットペダルを踏み込み、機体を上昇させると、コンバットモードへ変形し、高度を上げる。その後ろを、ビームの火線がシャワーのように過ぎ去って行く。
JDC-55 ジャデンは、日本のSPA開発会社『ツクヨミ社』が開発した、可変SPAである。
SPAモードとコンバットモードを使い分ける事により、破格の機動力を得ることが出来た。
こういった可変SPAの事を、通常のSPAと区別するため、 SPC(Self-Propelled Combat)という。
全体的にほっそりとしたフォルムに、胸部から突き出た装甲が特徴だ。コンバットモードになると、それを機首にする。背部にはコンバットモード時に翼となる、左右に突き出たバインダーが折り畳まれて収納されている。
武装は90mmマシンガン、肩部の140mmキャノン砲、背部の小型ミサイル、デコイと、相変わらず実弾兵器のみであるが、ライラ達の乗るジャデンは、特殊部隊仕様として、ビームライフルとビームブレードが追加されている。
あれから2年、どうやら地球連合軍もビーム兵器の小型化を本格化したらしく、つい半年程前、月面に本社を置く軍事会社『ナーガ社』が、初期型ビームライフルの開発に成功した。
『ちょっとライラ!あの巨大な化け物は何!?あんなの、どのデータベースにも無いわよ!?ビームライフルも殆ど無力化されるし、どうすんの!?』
「考えはある。任せろ」
『何でそんな落ち着いてんの!?』
パネル式モニターの右端に、女性の顔が映し出された。エミリア・ダヴィンだ。
少女のような面影のある顔は、いつになく動揺している。
「あぁ…、蜘蛛みたいで嫌だな…。出来れば近付きたく無いが、近付けば有効打を与えられるかもしれん」
ライラは現在交戦中の巨大SPAの事を、蜘蛛と称した。
確かに、巨大な胴体から出た八本足という出で立ちは、蜘蛛と呼ぶに疑問は無い。
『な!?あんなのどうやって近付くんだ!?あいつだけなら兎も角、他にも小者がウロチョロしてんだぜ!?』
今度は茶髪のショートに金色の瞳をした青年が映し出された。
ライラの相棒、アドバンス・レイヤードだ。
その時、前方から接近する熱源を察知した。ミサイルの割には大きく、SPAだということは直ぐにわかった。
NC-96[FC] 空戦型セダムが5機、編隊を組んで真っ直ぐ向かって来ている。
通常のセダムよりできるだけ装甲を削り、バックパックを強化した事により、自律飛行を可能とした機体である。
ただ、機動性が悪く、装甲も紙のように脆いため、SPCが開発されてからは生産中止となった。
「フォーメーションγ!キャノンで撃ち落とせ!ビームは使うなよ!」
指示を出すと同時に、アドバンスとエミリアのジャデンがライラのジャデンと平行に並んだ。
そして、「撃てっ!」と号令し各機が機体上部の140mmキャノン砲を斉射した。
それぞれ放った砲弾は、空戦型セダムの胸部や頭部に命中した。
撃ち漏らした空戦型セダムは、追尾性能の良い小型ミサイルの斉射で撃破する。
『へっ!楽勝楽勝!』
「まだ終わって無いぞ!散開!」
その直後、ミサイルの群れが3機を襲う。各機デコイを射出し、ミサイルの追尾を避ける。
「各機、オレの道を作れ。近付く敵の注意を逸らすだけで良い」
そんな中を、ライラは敵巨大SPAへ機首を向け、真上から降下する。
上から見れば、ますます蜘蛛のようだ。
「ここがビームの死角だろっ」
トリガーを引き、ビームライフルを撃つ。機体下部にマウントされたライフルの銃口から、青色の火線が伸びる。
火線は蜘蛛ならば背中辺りに命中した。しかし、対ビームコーティングでもしているのか、ビームは拡散された。
思わず舌打ちをした刹那、背部後部のハッチが開き、小型ミサイルが発射された。
「なめるな!」
ライラはジャデンをSPAモードへ変形させ、姿勢制御バーニアを小刻みに噴かしながらデコイを射出。
ミサイルをかわしつつ、自由落下のままに降下する。
蜘蛛の背中へ取り付こうとした刹那、体中を針で刺されるような感覚に、慌ててグリップを引き上げフットペダルを踏み込んだ。
直後、バルカンによる対空放火のシャワーに機体がさらされた。
一呼吸遅ければ蜂の巣であった。
『ライラ戻れ!体制を立て直すんだ!』
アドバンスの声が耳朶を打つ。
しかしライラは、依然として対空放火をかわしながら距離を詰めようとしていた。
普通なら自殺行為であるが、彼にはシャワーのように浴びせられる砲弾の群れを、突破する自信があった。
縦横無尽に機体を動かしながら、ビームライフルの照準を合わせる。
制動はできない。チャンスは刹那。
「5…4…3…2…1…」
カウントを始める。
やがてゼロを迎えれば、「そこだ!」とトリガーを引く。
連動して銃口より発射された青いビームの火線は蜘蛛の背中に命中し、バルカンの銃身をグズグズに溶解する。
それは瞬く間に火球として膨れ上がり、爆発した。ライラは、蜘蛛の巨体を怯ませる事に成功した。
この刹那、彼は勝機を手中に収めた。
外で陽動を行ってくれているおかげで、敵拠点へ楽に侵入できた。
ただ、陽動するのではなく、基地に敵兵士が極力残らぬよう、誘き出してくれてもいる。
こちらが隠密に動くには、最適な状況だ。
海軍特殊部隊SEALsの隊長、ハンス・レインズは、この作戦が成功し無事にアメリカへ帰還できれば、ライラ・バズ率いる第09特殊SPC小隊のメンバーへ、酒でも奢ってやろうと考えていた。
見た感じ、小隊長は酒が好きなタイプに見えないが、部下二人は酒好きに見える。
懐に気を付けなければ、泣きを見るな。
「隊長、基地内の重要機関部の制圧に成功しました。情報は入手したので、後は爆破するだけです。脱出しましょう」
「了解した。しかし、こうも簡単に行くとはな…」
「彼らの陽動のおかげですね」
「全くだ。よくやってくれたものだ」
ハンスは窓越しに外の様子を眺めた。
情報に無かった巨大SPAは、機体各部から黒煙を上げながら、雪原にその巨体を沈めている。
背中に当たる部分には、プラズマの粒子束で出来た、青色の刀身を形成したビームブレードを構えるジャデンが見える。
恐らく、ライラ・バズのジャデンだ。
ハンスは簡単に敬礼すると、「行くぞ」と部下へ言い窓から目を離した。
次回は、ライラの新たな配属先が決まります。
空軍、陸軍、海軍、そして宇宙軍。
どれにしようか悩みます…




