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最初の  作者: リナット
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第6章:深淵の牙

グレブは素早く振り向き、戦闘態勢でテッサー(大剣)が止まった。目の前には、薄暗がりの中で威圧的に輝く両手剣を持った少女が立っていた。

— お前は人間か、それとも怪物か? — グレブは唸り、緊張が言葉の一つ一つに響いていた。

彼女はただ薄く笑っただけだった。その皮肉な笑みは言葉以上に多くを語っていた。素早く、ほとんど見えない動きで彼女は彼の手から武器を叩き落とし、実力の差を見せつけた。

— 生きている人間とは珍しいものだね、 — 彼女は彼を値踏みするように見ながら言った。

— お前は何者だ? ここについて何を知っている? — グレブはまだ彼女の動きに驚きながら問い返した。

少女は一歩近づいた。彼女の刃が彼の喉からわずか数ミリのところで止まる。

— まずは私が聞く番だ。お前は誰だ? — その声は氷のように冷たかった。

グレブは選択肢がないと理解した。彼の声は震えていた。

— 何も覚えていない…… — 彼は囁いた。恐怖で喉が締め付けられる。 — 自分が誰なのか……

— ここで何度死んだ? — 彼女は刃を下げることなく尋ねた。

— 五回くらいだと思う、 — グレブは絞り出した。

— だから記憶が飛んだのか、 — 彼女は鼻で笑った。 — 不死だと思ってる? ここは魂を食う、飢えた犬みたいな場所だよ。

グレブは彼女の言葉を吸い込むように聞いていた。

— 魂?

— ここは全ての世界の悪が流れ込む下水のような場所さ。ここにいるってことは、お前も人間としてはクズだったってことだ。憎しみと絶望、それがこの場所の餌だ。お前は地獄にいるんだよ。

グレブはその言葉に耳を傾けながら、冷気が皮膚の下に入り込むのを感じた。

— 死と再生はここで人間性を削り取る、 — 彼女は続けた。 — そして最終的には本当に死ぬ。ただの罠じゃない。魂を砕く肉挽き機だ。

その言葉は重い鉛のように空気に留まった。グレブは背筋に冷たいものが走るのを感じた。

— じゃあ、転生は無限じゃないのか? — 彼はゆっくりと尋ねた。

少女は頷いた。その表情は無機質だった。

— そう。でも個人差がある。ある魂は一度の死で消え、ある魂は十回は転生できる。

彼女の口調が変わった。

— それは何で決まる?

— 精神の強さ……かな。

— 魂の一部を取り戻す方法がある、 — 彼女は言い、声がわずかに揺れた。彼女は前方にある礼拝堂を指した。

— 中に入れ。

グレブは慎重に建物へ近づいた。少し開いた扉から奇妙な光が漏れていた。暗く重い、まるで凝固した水銀のような光だ。彼が中に足を踏み入れた瞬間、奇妙な感覚に包まれた——空気そのものが濃く粘ついているかのようだった。

古い祭壇の上には、黒い液体の入った小瓶が置かれていた。

— 血か? — グレブはその器から目を離さずにかすれ声で尋ねた。

— そうだ、 — 少女は隣に立っていた。 — これはヘマティス。魂の欠片を補うエリクサーだ。ここに来た者たちから作られる。作るには、その人間がまだ生きていなければならない。でなければ転生して体は消える。

グレブは地下室、老婆、そして器に流れる血を思い出した。

— 俺からもこれを作ろうとしていたんだな、 — 彼は言った。

— 飲め、 — 彼女は命じ、彼の背を叩いた。

彼は血を飲んだ。その瞬間、家族の記憶、自分が誰であったかが蘇る。湖に落ちたこと……そして「願い」という言葉。

彼は震え、固まった。

— 願い……それは何だ? 封印か?

— それは地獄からの約束だ、 — 彼女の声は冷たく均一だった。 — 封印を壊せば願いが叶うと言われている。

— 魂の欠片を無駄にするな、死にすぎるな、 — 彼女は一拍置いてグレブを見た。 — ヘマティスは非常に貴重だ。とてもな。

— じゃあ、なんで俺に渡した?

— お前が必要だからだ、 — 彼女は一歩近づき、その目にかすかなものが宿った。絶望か、決意か。 — ここから出たい。守らなきゃいけない人がいる。この地獄から抜けるには一人じゃ無理だ。お前は悪くない才能を持ってる。理性を選んだんだろ?

— ああ、 — グレブは頷いた。 — どうして分かった?

— 理性は魂の内部エネルギー——魔力を制御する能力だ、 — 彼女は重い大剣を持ち上げた。 — 私はたまたま力を選んだ。それだけだ。

— 分かった、 — グレブは剣を見つめながら言った。 — でも、この声は何だ? 誰が裏にいる?

— 神か、悪魔か。知らない。 — 彼女は肩をすくめたが、その声には不安が混じっていた。 — 戻りたいか? 願いを叶えたいか? なら、二人の方が可能性は高い。

グレブは一瞬黙り込み、答えを選んだ。

— 分かった、 — 彼ははっきりと言った。 — 行こう。

— よし。城へ行く。ただし覚えておけ——容赦なく戦え。見た目に騙されるな。

薄暗がりの中、彼女は影のようだった。黒いドレスが揺れ、荒く結ばれた髪が頬にかかる。

— 君の名前は? — グレブは尋ねた。

— ソフィラ、 — 彼女は答えた。 — 君は?

— グレブ。変わった名前だが、悪くない。初めて聞いた。

彼らは歩き続けた。

— グレブ、君はどこから来た? どうやってここへ?

— 湖に落ちた、 — 彼は答えた。 — 冷たい国から来た。

— 聞いたことがない。どうやら別の世界だね。

— 本気か? これってただの変な夢じゃないのか?

彼女は笑った。

— 夢でこんなに現実的なわけがない。

突然、城の上空から巨大な影が舞い上がった。ドラゴンのような生物。黒い鱗、空を覆う翼。咆哮が地を揺らす。

グレブはよろめいた。息が詰まる。

— あれは何だ……? — 彼は言った。

ソフィラは立ち止まり、遠くを見た。

— 一人では倒せない。あれは深淵の牙——古代の存在だ。影と飢えの産物。鱗は通常の刃では通じない。氷の息は一瞬で命を奪う。

— 戦う必要があるのか?

— 倒さなければ城には入れない。門は封印されている。

彼女は振り向いた。

— どうする? まだ最後まで行くか?

グレブは喉を鳴らした。

— ああ。最後までだ。壊れたこの世界を終わらせる。


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