第5章:チャンス
「なぜ、死の前にこの瞬間ばかり思い出すのだろうか」ソフィラは目を閉じながら考えていた。
— ソファ! 朝ごはんよ! — 祖母が台所から彼女を呼んでいた。
彼女は一晩中眠っていなかった。窓の外を見ていた。太陽はすでに昇り、月は沈んでいた。頭の中では記憶の断片が渦巻いていた。矛盾が多すぎる。謎が多すぎる。
— さて、朝ね…… — ソフィラは小さく呟いた。彼女は箱から斧をつかみ、台所へ走った。
一撃で祖母の体はタイルの上に崩れ落ちた。
— これで終わりよ、このクソ野郎! — ソフィラは叫んだが、その声は震えていた。
彼女は斧を握りしめ、遺体の上に立っていた。目の前に過去の断片が閃いた。この瞬間に至る記憶。
父がグレンを完成させた日。彼は彼女を抱きしめ、こう言った。
— このロボットはお前を守るためのものだ。特にリッサのためにな。世界はますます危険になっている。
ハッカー集団「シャドウ・レギオン」が早期警戒センサーをハッキングし、「ヴェスタ」からのミサイル攻撃という偽の信号を流した。「ストラージ9」はノイズと異常を検知し、それを攻撃の証拠と誤認した。確認する時間はなかった。
人工知能はエンジニアが介入する前に反撃を起動した。その一人が私の父だった。ヴェスタは接近するミサイルのデータを受信し、自らも発射した。その日、すべてが変わった。
祖母が怪物だと気づいたとき、私は長い間、その一歩を踏み出せなかった。しかし、そうするしかなかった。彼女に繋がる高官たちが彼女を守るからだ。
私が覚えている限り、祖母の料理は好きではなかった。最近になって、その理由がわかった。日記を読んだ。最初は認知症だと思ったが、その後、地下室に降りて……すべてが明らかになった。
そこにはフックに吊るされた残骸があった。そして棚には、かつて人間だったものが入った瓶。そしてその中に——見覚えのある髪の束。レヴィの髪。私の兄。十二年前に行方不明になった。味は……あまり良くなかった。
リッサは外で友達と一緒にいて、私はガレージへ向かった。そこには広いコンクリートの地下室があった。グレンもそこにいた。スリープモードだった。必要だったのは袋——祖母の残骸を片付けるための。
まばゆい光が町を照らした。リッサはすでに戻ってきていた。衝撃波……。私はガレージの扉を閉めることができたが、彼女はあと数歩のところにいた。私は扉を開け、力ずくで彼女を中に引きずり込んだ。
地下室の壁は揺れたが、耐えた。その後、兵士たちと救助隊が来た。彼らは生存者を探していた。私たちは救われ、この忌々しいキャンプに縛られることになった。
ソフィラは目を開けた。周囲には煙、叫び、銃声。彼女は泥の中に倒れており、顔から血が流れていた。
— グレン…… — 彼女は呟いた。
ロボットのセンサーが赤く点滅し、足を引きずりながら彼女に近づいた。
— 生命状態は危機的です。医療処置が必要です。
— 無理……間に合わない…… — ソフィラは咳き込んだ。 — リッサを探して。守って……父の望みどおりに……
グレンは一瞬停止し、命令を処理した。そしてうなずいた。機械的な動作だが、その中にはどこか人間的なものがあった。
— 命令を受諾。
ソフィラは目を閉じた。記憶の中で、あの朝が再び蘇る。斧、タイルの上の体……そして何よりも、解放感。彼女はすべきことをやり遂げた。たとえそれが自分の命と引き換えでも。
— 封印を破れ…… — 声が響いた。無数の声が一つに重なる囁き。 — そうすれば願いを叶えてやる。救う……守る……
— 何……? 私はもう死んでいるの……? — ソフィラは呟いた。
— ……封印…… ……願い…… — あらゆる場所から声がした。
— リッサ…… — 彼女はかすれ声で言った。 — 守る……
— ランプに触れろ! — 声が威圧的に命じた。
彼女は目を開けた。周囲は完全な闇。目の前には古い鍛造のランプがあり、揺らめく赤い光で彼女の顔を照らしていた。
指が不安げにランプに触れた。
頭の中で轟音のように声が響く。
「力!」
「知性!」
「支配!」
「秩序!」
「力……」ソフィラは心の中で繰り返した。「私には力が必要……リッサを守るために……チャンスを……」




