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最初の  作者: リナット
2/13

第1章:選択

彼は車椅子に座り、拳を握りしめていた。風が銀色の髪を揺らし、視線は湖に釘付けにされていた — 底知れぬ傷のように巨大で、黒い湖。

それは彼を誘い、ささやき、呼び寄せていた…

— そっちを見ないで、 — 母は彼の肩に手を置いた。 — ここではね、悪魔の場所だって言われているの。穢れているって。

しかし、彼は彼女の声を聞いていなかった。湖の奥で何かがきらめいていた — 幻影、亡霊、禁じられた力の約束。目の前に、イメージが閃く:笑いながら手を伸ばす娘、ベッドから起き上がって微笑む父、後悔に凍りついた元妻…

「父さんに、もう一度歩いてほしい、 — 彼は思った。 — 娘に、愛していると伝えたい。僕は…」

考えきる前に、車椅子が揺れ、崩れかけた土手の上を滑り始めた。肘掛けを掴み、止めようとしたが、車輪は容赦なく崖の縁へと滑っていく。

— 母さん! — 彼は叫んだ。

そして、落ちた。

水が冷たい拳のように彼を包み込んだ。最後に見たのは、自分の顔が黒い湖面に映る光景。そして、誰かの無音の笑いだった。

朝。救助隊が湖を捜索し、彼らの懐中電灯が波間を怯えた蛍のように揺れていた。岸辺、濡れた石と海藻の間に、ひとつの身体が横たわっていた。

— 生きている! — 誰かが叫んだ。

彼は息をしていた — かすれ、断続的に。目は開いていたが、視線は空虚で、ガラスのように濁っていた。母は彼の手を顔に押し当て、泣き崩れていた。

— 目を覚まして!

周囲では医師、警察、野次馬たちが慌ただしく動いていた。

「溺れたのに、死んでいない… — 群衆が囁いた。 — あの湖は魂を奪う…」

救急車が彼を病院へ運んだ。診断は昏睡。医師たちはただ首を振るしかなかった。

そして彼は、落ちていった。

周囲にはただ闇だけ。濃く、触れられるように重く、胸を圧迫する闇。そして、ランプ。

小さく、鍛造されたそれは、古いゴシックの物語から抜け出したかのようだった。その炎は赤く燃え、まるで生きている心臓のように脈打っていた。

— それを壊せ… — 声がささやいた。低く、多数の声が重なり合うように、同時に何百もの口が語っているかのように。 — そうすれば、お前の願いを叶えてやる。

— それを壊せ…封印を… — 声が繰り返し、今度は金属の残響が混ざっていた。まるで無数の刃が擦れ合うように。 — …願いを。

— 何だって…? — 彼は息を吐いた。その一音すら、苦しさに満ちていた。 — 何の…?

— ランプに触れろ。

手が震えた。望んではいなかった。それでも手を伸ばしてしまう。

指が金属に触れた。

頭の中で爆発が起きた。

数百の声が叫び、互いにかき消し合う:

— 力!

— 知性!

— 支配!

— 秩序!

記号が目の前に閃き、渦を巻き、混ざり合い、飲み込んでいく。彼は叫び、抗おうとしたが、幻影はさらに深く、さらに深く入り込んでくる…

「大事なのは、正気を失わないこと…」

彼は選んだ。

— 知性。

冷たい石が手のひらに触れる。草と水の匂いを運ぶ風。

ゆっくりと頭を上げた。洞窟の入口が前方に口を開けている — 黄金の長方形、太陽の光。外には、緑の草、鳥、石の上を流れる小川。

凍りついた。

脚。

震えながら、彼は立ち上がった。最初はおぼつかなく、やがて確かに。一歩。もう一歩。

彼は歩けた。

彼は笑った — 涙を流しながら、声をあげ、痛みと不信の中で。

しかし、その笑いは途切れた。

洞窟の奥で、何かが動いた。闇が濃くなり、その中に巨大で人ならざるものの輪郭が浮かび上がった。


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