【後編】第2話 パーティー? オープンワールドの洋ゲーでも組んだ事ねえよ
「さっきぶりです、ユウギさん」
「キミは確か、二階堂君」
この剣士の軽鎧に身を包んで正義感に溢れてそうな男は二階堂ツルギ君だ。
その隣で軽く頭を下げたインテリ風の男は魔法使いの志藤ジン君、お嬢様っぽい女子が治癒師の比良カナデさん、俺を見つけたアニメ声は小柄な弓師の鹿倉カキネさんである。
「少し見ない間に随分、ファンタジーになったね」
「防具や武器は俺たち『召喚英雄』専用の装備らしいっす。特殊な魔法が込められてるとかで、スキルも難なく使いこなせるみたいで助かります」
「すごいね、それで、キミたちもクエストを?」
「ええ、まずはこの世界を知る為にも色々こなしてみないかって王様が」
「なるほどね」
「ユウギさんは、どうしたんですか?」
「俺は、まあ無職だからパーティーを断られたところ」
「あー・・・そうっすよね。無職には危ないっすもんね、ステータスもキツそうですし」
苦笑いする二階堂君につられてほかの三人も気まずそうな顔をする。
こんなおっさんに気を遣わんでくれ高校生、余計悲しくなる。
「でも俺達に任せてください、当面の目標は魔力を独占しようとする魔族と手を組んだ魔女退治なんで、それが終わればだいぶこの辺りも落ち着く見たいっすよ」
「二階堂君たちはそういう任務なんだね」
「ユウギさんも一般人のくせに召喚に巻き込まれて大変だと思いますが、街で何とか死なないように待っててください」
悪気はないのだろうが、豪快な性格故なのか言葉の使われ方がどことなく胸に痛い気がする。
「ありがとう、俺も俺で何とか生き延びてみるよ、キミたちも頑張って」
いかにも異世界召喚に巻き込まれた何もできない中年――ステータス的にはそう見えるだろうが――は、若人たちに手を振り、その場を後にする。
「召喚英雄チームは人類の平和維持に進む、みたいな王道ルートなんだな」
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