プロローグ①
ーこれは世界がまだ6つの島だと「思われていた」頃の
お話ー
最果ての島の灯台は何を照らすのか……
ーこれは世界がまだ6つの島だと「思われていた」頃のお話ー
ここは6つの島の1つ農業島グレートファーム。
少年は朝の日差しに目を覚ますと、そっと窓の外へ目を向ける。
「今日も相変わらずだな…」
そう呟きながら、遠くに見える巨大な樹を見上げた。
ー世界樹ユグドラシルー
この世界の中心に存在する巨大な樹である。
「試験遅れるわよー!」
下の階で母が叫んでいる。
「やばっ。今いくよー!」
そう叫び返すと少年はバタバタと準備を済まし、
家から飛び出した。
少年の名はカイト。今日は16歳から入学予定の学園の試験日だ。
「試験場はガーデンベルか。船着き場まで走って行かないと遅刻はマズイな。」
ガーデンベルは6つの島の1つであり、学園島と呼ばれている。
6つの島々はそれぞれ定期船で行き来しており、
その船着き場付近は人の往来も多く街も発展している。
「ハァハァ…何とか間に合った…」
目的の定期船に乗り込み一段落していると、
一人の少女が近づいてきた。
「おはよー、カイト。何?あんた走ってきたの?
相変わらずねー。」
「うるさいリファ」
幼馴染みの少女は今日も元気そうでなによりだ。
「今日の試験、魔法島からの教官が来るらしいわよ」
リファがそっと耳打ちしながら教える。
ー魔法島ルルフィラー
6つの島の中でもっとも謎が多く、情報が秘匿されている島である。
「わざわざ魔法島から来るって事は今年は魔法適正の高いヤツがいるのかもな。俺も魔法が使えたらなー」
「そんな簡単に使えるならみんな使いたいわよ。
なにせ今の魔法は……」
ーー色々と話している内に船は目的の島に到着した。
「着いたぞ。さぁ行くか!」
2人は船から降りると一緒に歩き出した。
学園の試験場へ。そこが運命の場所となる事を知らずに…。
初投稿です!これから定期的に続きを投稿していくので、応援、感想などたくさん頂けたら嬉しいです。