表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ


 巨大な石造りの城壁を前にセシリアは息を呑む。


 旅立つ前に住んでいた王都にもこれ以上の城壁があったが、そちらは優雅さや美しさを兼ね備えていたのに対し、今目の前にあるのはそういった装飾を全て排した堅牢という二文字がよく似合う、まさに防壁だった。

 壁には最上部以外にも所々に矢を()るための穴が多数()いていて、常に壁の外に対して威圧感を放っている。さらに壁の周りには深い(ほり)が掘られ、そこを流れる水の中にいったい何があるのかをセシリアは想像したくなかった。


 城塞都市ベイスト。そこに通じる2つしかない跳ね橋を渡り、巨人(ジャイアント)でも通れそうなほどの巨大な門をくぐり抜けた先には、王都とはまた別種の賑やかさが広がっていた。


「しばらくはここでの生活になるんだ」


 セシリアは自分に言い聞かせるようにそう小声で呟いた。その声に新天地に来た(よろこ)びのようなものは感じられない。


 王都から持ってきた地図を眺めながら、セシリアは冒険者組合へと歩みを進めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ