エピローグ
俺は30歳童貞、魔法使いになりたてのの社畜だ。
俗に言うブラック企業で働いている、給料は低いし、有給は使えない、サービス残業は当たり前、もう何日も家に帰れていない。
仕事のためだけに生きている人生、こんな生活がいつまで続くか考えるだけで気が滅入る。
少し前までは転職を考えていたし、実際退職届も出したがまともに取り合ってもくれるはずもなく、いつしか諦めていた。
そんなこんなで、こうして社畜をしてるわけだが。
「はぁ...」
しかし疲れたな、
最近まともに寝れていない、3時間寝れたらいい方だ。
時計を確認するとまだ22時、まだまだこれからだ。
気を抜くと寝てしまいそうなので買い置きしていたエナドリを飲もうとしたが全部飲んでしまったようだ、自販機に買いに行くか
しかしこの会社はブラックだ、大体察しがつくと思うが基本売り切れている
もしかしたらまだ余ってるかもしれないし行ってみるだけ行ってみるか。
やはり売り切れていた、まぁわかっていたが若干落ち込む
この自販機を見るとこの会社がいかにブラックかということが分かる、
現代アートと言ってもいいだろう。
流石にないとキツいので終業時間を繰り下げてコンビニに買いに行く背に腹は代えられん、上司はもう帰ったので先輩にみんなの分も買ってくることを条件に許可を貰った、戻るのが遅いと怒られるので気持ち早めに歩く。
コンビニに着きエナドリを数本を確保してレジで会計を済ませ会社へと向かう
このまま帰りたい気持ちを排除し、会社へと向かっていた。
道中、ぱらぱらと雨が降ってくる次第に激しくなり風も強くなってきた。
急いで会社に帰ろうと小走りになる。
その時だった
クラクションの音が鳴り響く、振り向くとトラックがこっちに猛スピードで迫ってきていた、気づいた時にはもう遅く
そのままトラックに押し潰された、
かろうじてまだ意識はあったが、下半身の感覚はもうなく周りに赤い液体が広がっていく。
茂上透は死んだ。