異常者
前回までのお話
彼女の祖父とやらのいる場所に戻ると、一人の老人がいた。
少女の祖父と名乗る人物だったが、少女は違うといい放つ。
彼はいったい何者なのか?
「何をいう……私は……」
「動くな……」
優し気に問いかけるデルスに僕がそう言い放つと歩みを止める。
それと同時にこちらに殺気という名の魔力の圧を掛けてくる。
「お主如きがワシに勝てるとでも?」
「あんな魔法如きで俺が倒せるとでも?」
デルスが先程の重力魔法を強化する。
この子を巻き込むつもりか!?
少女は地面に叩きつけられると音がする。
「うぅ……」
俺がやっと立っていられるのだこのままだと恐らく……。
「へぇ、まだ立っていられるのかよ……」
「孫はいいのかよ……」
そういうと、老人から20代くらいの男性に変わる。
幻影魔法か、面倒な。
不敵な笑みを浮かべる。
「いいのいいの、生死は問わないし……」
「何故この子を狙う……この子のお爺さんはどうした!!」
「あぁ、あの爺さんな……死にかけだったので楽勝だったぜ!」
そう言うとこちらにむかって何かを投げる。
地面に転がったそれは古いペンダントだった。
「嫌、嘘……」
少女は泣きそうな表情で時計を見る
その時計には血のような跡がついていた。
っという事はこの人の保護者は既に……。
「はは、その顔いいねぇ〜」
少女の絶望した顔に男は恍惚とした表情を浮かべる。
「異常者が……」
「あぁ?」
漏れ出た言葉に反応してこちらを向く。
「俺が異常者?」
「それ以外何だってんだ?」
俺は魔法を展開する。
「この子を護れ……」
結界を発動し、彼女を重力魔法から守る。
「少し待ってろ、すぐに終わらせるからそこから出るなよ……」
「うん……」
「良い子だ」
男は苛立ちながら魔法を展開する。
「紅蓮の炎よ! 我の剣となりて敵を薙ぎ払わん!」
上級魔法炎斬か……。
言うだけのことはあって中々強力な魔法だ。
「これが俺の最強魔法だ!炎斬!」
最強魔法ねぇ〜。
剣に手をかけ魔力を込める。
魔力が剣に浸透していくような感覚がする。
腰を屈め、抜刀の構えをする。
「いくぞ……」
剣を勢いよく振り抜くと同時に炎の斬撃がぶつかる。
「そんな剣、すぐに溶けて……」
俺は斬撃を切り伏せる。
男はあり得ないと言った感じで俺を見ている。
「もう一度だ!」
男はもう一度魔法を展開しようとするが、すでに剣の間合いだった。
「無駄だ」
僕は剣を振ると男の斜めに切り裂かれる。
「なっぜ……」
「俺が強くてお前が弱かった……それだけだ」
男は不敵な笑みを浮かべながら絶命していった。
俺は少女の方へ向かう。
「大丈夫か……」
「うん」
そう言う彼女は心ここに在らずといった感じで答える。
それはそうだろう、大切な人を失ってしまったのだから。
とはいえ、この状況で止まっている程の時間もない。
これだけの強敵がいるとなると、他にも面倒なのがいる可能性が高いからだ。
「お前はこれからどうする?」
そう言うと少女は答えに戸惑った顔をする。
急に迫られた選択とはいえ、迷ってる暇などない。
「………どうしたらいい?」
少女と勇者を読んでいただきありがとうございます。
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