冒険者という名の外道
少女と勇者を読んでいただき、ありがとうございます
今回は短編です。
全17部で終了しますので、最後までお読みいただけると幸いです。
「何でお前まで出て来る」
「………」
「戻れ……」
首をブンブンと横に振る。
ここは今、冒険者で溢れている。
誰しもが俺みたいな冒険者とは限らない。
「これは面白いもん見たなぁ〜」
後ろから声がする。
数は……全部で4人か……。
振り返ると男四人が歩いて来た。
「お前、ここの事情詳しそうだな?」
「そこまでじゃないよ、さっき迷い込んでやっと出口さ……」
こいつらは何かやばい……。
直感的だが、彼らからは他の冒険者と違い狂気の気配がする。
「それにしても連れてる子可愛いね……妹とか?」
「……まぁそんな所だ、もう行っていいか?」
そう言って少女の手を握り歩き出す。
「まぁ待てよ!」
瞬間さっきを感じ振り向くと、剣を抜きこちらに振り下ろそうとする。
剣を抜き受け止めるが、咄嗟の攻撃に吹き飛ばされる。
「嫌!」
男は俺が吹っ飛ぶと、彼女を抱き寄せる。
「おっほ〜、これは上玉な美少女……高く売れそうだぜ!」
「お前ら!」
「おっと動くな……」
少女の首に剣を突きつける。
「汚いな……」
そう言うと男は薄汚い笑みを浮かべ、
「お前も冒険者ならわかるだろ?」
冒険者と言ってもならず者の集まり、こういう盗賊みたいな事をする輩も少なくない。
「この女を置いていくなら命だけは見逃してやる」
後ろから3人の男達が前に立つ。
少女は泣きそうな目を必死に抑え、俺の方を見る。
「逃げて……」
少女は俺に向かって笑顔で言う。
普通なら助けてとか言うはずなのに彼女は逃げてと言ったのだ。
この状況になったのも自分の責任だ……自分があの結界に入らなければそもそもこんな状況になってない。
「健気だねぇ〜ほら、さっさと行けよ」
ゲラゲラ笑いながらこちらに言ってきた。
まるで自分が勝ち誇ったかのような顔で言う男の顔をまっすぐ見つめた。
今回のお話はいかがでしたでしょうか?
面白かったと思っていただけると幸いです。
よろしければ、評価していただけると嬉しいです。
どうかこの作品が多くの人に見ていただけますように。
それでは、また次回よろしくお願いします。