表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/42

41話:ラランチアのキス

 リメッタが産まれてから4日が過ぎた。リメッタもラランチアと同じように毎日頭の葉っぱが増えていく。今朝には4枚の葉っぱと小さな蕾も姿を見せていた。ということはあと3日で発情期がくるのだろう。

 同じくラランチアの頭には種が出来始めている。ということはラランチアとエッチをしたはずなのだが、まったく記憶がない・・・。

 七色の種を植えてラランチアが産まれ、ラランチアが産み出した六色の種を植えてリメッタが産まれた。ラランチアの頭に出来始めている種は、順番から言ったら五色の種になるんだろうか?


「あと5人、女の子が生まれる?いや、男の可能性もあるんじゃないのか?もし男の子が産まれたら、俺がご主人様になったら、発情期には襲われちゃうんだろうか・・・」


 いやいやいや!可能性は0じゃない・・・。事実女の子のラランチアが女の子のリメッタに好かれてるんだし・・・。あの種は「ニンゲンの種」なんだろうか?「女の子の種」だったらいいんだけど・・・。

 どちらにしても次に植える時には栄養をしっかり入れた土を用意しないと、リメッタの二の舞になる。あれはあれで、容姿に合っているからちっぱいも悪くないと思うんだが、初日の仕事から帰って来たリメッタに「あの制服は嫌味かっ!!」って怒鳴られたからなぁ・・・。


「さて、そろそろ雑貨店の店舗を探さないといけないな」


 とりあえず用意できたのはスライサーとピーラー、それにダマスさんが鋼鉄の練習がてら作った包丁がある。それにスライサーの試作品でやや大きい刃の物に柄をつけた剃刀。この世界にひげを剃る用の刃物がなかった。みんなどうしてるのかと聞いてみると毎日抜いているとか。結構痛くて大変だからひげを生やしている人が多かったのか。意外に髭剃りも売れるかもしれないな。田中雑貨店というより刃物店になりそうだけど、プラスチックがないというのは現代人には意外にキツイ。一昔前の木製の商品で何かいいものはないだろうか?


「木製というと、まな板とか積み木とか将棋・・・」


 遊具か。他種族と争っているなら戦略ゲームである将棋って案外売れるかもしれないな。魔法が使えない人間が他種族に勝とうと思ったら頭を使うしかないだろうし。


「とりあえず今日は将棋の試作品を仕事依頼所で頼んでみるか。それと不動産屋に寄っていい店舗がないか聞いてみよう」


 屋敷を買ってかなり資産は目減りしたけど、例のダマスさんの作った刀を父親であるディオス様が金貨5枚で買い取ってくれた。金貨1枚で買って数時間後に金貨5枚で売る・・・。自給いくらだコレ・・・。

 おかげで店舗を買う余裕が出来たけどダマスさんには悪いことをしたかな?まあ、お貴族様のお願いを断る事なんてできないんだけど。


「よし、それじゃ出かけてくるか」


 最近ラランチアが疲れているのか仕事以外で外出をしない。リメッタが産まれた初日に外出したきりだな。何か悩みでもあるんだろうか?気分転換にラランチアも誘ってみるかな?





「はぁ・・・」


 リメッタに教えてもらった事実があまりに衝撃的すぎて気分が落ち込んだままです。

 なんとなくわたしが植物なのは分かっていましたが・・・。


「まさか本当に魔物だったなんて・・・」


 わたしに魔力がある謎はこれで解決しました。魔物なら魔力があって当然ですね。

 それにわたしの正体であるオランジドライアドのこともあっさり判明しました。この世界にあるヒールポーションという回復薬はオランジドライアドの樹液が原材料なのだとか。わたしの体液には癒しの効果があります。


「わたしが舐めて傷が癒えたのはそういうことだったんですね・・・」

「ヒールポーションは空気に触れると回復効果が徐々に失われていきます。でもお姉さまが直接舐めると最高級の新鮮なヒールポーションを使ったのと同じ効果が得られるんですよ」

「リメッタ!?」


 部屋で悩んでいると突然リメッタが背後から抱きついてきました。


「部屋に入る前にノックくらいしてください」

「しましたよ~。何度声をかけてもお返事がないので心配で入ってきたんです!」


 リメッタは悪い子ではないのですが、時々目がオオカミになります。


 くんくん


「お姉さま、はぁはぁ、あたしなんだか身体が熱くって、熱があるのかもしれません。はぁはぁ、お姉さまの体液で癒してもらえませんか?」


 蕾が出来始めていますし発情期が近くなったせいですかね。わたしも体験していることなので気持ちはわかりますが、わたしにそっちの趣味はないのです。


「リメッタ。ヒールポーションは怪我を治すだけで病気には効果がないんですよ」

「いえ!お姉さまのキスなら病気にも効果があるかもしれません!!」


 血走った眼で両手を握って近づいて来ます。目をつむって唇を突き出してくるリメッタはかわいくて、殿方ならころっといってしまいそうですね。

 はぁ、仕方ありませんね。


 チュッ


「え!?」


 あまりに健気なのでリメッタのおでこにキスをしてあげました。わたしにできるのはここまでですけど。


「お、おおおおお姉さまがあたしのおでこに・・・キス!?」


 両手でおでこを押さえたリメッタは真っ赤な顔をしてへなへなと床に崩れ落ちていきました。わたしも信夫様にされたら同じようになるでしょうね。


「きゅぅ~・・・」


 あら?生まれたばかりのリメッタには刺激が強すぎたのでしょうか?気を失ってしまいました。とりあえずわたしのベットに寝かせておきましょう。


 コンコン


 その時扉をノックする音が聞こえました。


「はい?」

「ラランチア、これから出かけるんだけど、一緒にこないか?」


 信夫様からデートのお誘いでしょうか!?





「これで販売委託契約は完了です」

「急がせて悪かったな」

「いえいえ、この二つの商品は売れますよ!うちに委託してくださってありがとうございます!」

「また新しい物が出来たら頼むよ」

「いつでもお待ちしております」


 よし。これでハンガアとパンツの量産体制が整った。多額の投資もしてもらって資金も出来たからニンゲンの国に、信夫の所に戻るとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ