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35話:水色っ子

 あああ、なんて幸せなんだ!

 ついに脱童貞!!

 この世に女の子を抱くことより幸せなことなんてないんじゃないのかっ!?おっぱいは柔らかく身体は暖かくいい香りもしてキスは甘く更に声がエロい!視覚、触覚、嗅覚、味覚、聴覚の五感すべてが幸せになる!第六感でも幸せになる為にはどうしたらいいんだ!?直感!?今も手を伸ばせばそこにラランチアがいるはず!


「あ、あれ?」


 手を伸ばしても暖かくて柔らかいラランチアがいない。先に起きてるのかな?発情期が終わると急に恥ずかしがり屋に戻るから、もう服を着て待ってるのだろうか?少し残念に思いながら体を起こして目を覚ます。


「やっぱりいない・・・か?・・・おおうっ!?」


 そこには第六感でも予想できない光景が広がっていた!裸のラランチアが水色の髪をした裸の少女に抱きつかれているのだ!


「の、信夫様!?た、助けてください!」

「ご主人さまぁ~とってもやわらかいですぅ~」


 俺に向かって手を伸ばすラランチアのおっぱいが、水色の髪の少女に弄ばれている!?


 ブフゥウウウウウ!!


 刺激が強すぎる!頭に登り過ぎた血が鼻から吹きだした!


「い、いま助けるから・・・な!」


 鼻血を出しながら床を這って近づく俺。その先には全裸で抱きしめ合う女の子が二人。はたから見たら完全にヘンタイだろコレ!?


「き、君!ラランチアから離れ・・・て、くださいませんか?・・・」


 なぜか敬語になったけど、そう言ってラランチアの胸を揉んでいる女の子の手を持ちあげる。


「おおぅ!?」


 ブフゥウウウウウ!!


 見えた!肌色の山の頂上にあるピンク色の小山とその頂点にある銃弾のような突起が!!


「信夫様!見ないでください!!」

「きゃああああああっ!ご主人さまなんですの!?このゴミ虫は!?」


 その時になって初めて俺の存在に気づいたのか、悲鳴をあげた水色の髪の女の子が繰り出した裏拳が俺の頬にヒットして、錐もみをするように吹っ飛んだ。ベットの角で頭を打ち意識が遠のく。薄れゆく意識の最後に見えたのは、身体を起こして腕を振りぬいた水色の髪の女の子のまっ平の胸だった。





「信夫様!?信夫様、大丈夫ですか?」

「あ~・・・あれ?俺何してたんだっけ?」


 目が覚めると俺を覗き込んでくるラランチアの顔が見えた。その顔は不安そうな表情だったけどそれもまたかわいい。


「ご主人さま、ゴミ虫にそれ以上近づかないでください!」


 そう言ってラランチアの腕を引っ張る水色の髪の女の子がいた。髪を頭の左右で結んでツインテールにしており、ダブっとした白いワンピースを着ている。


「ラランチア、その子は?」

「覚えていませんか?昨夜産まれたわたしの妹です」


 妹!?あの水色の実の中にいた子か!?今日は()()()()()で産まれるのは早くても今夜のはずなのに?俺は勢いよく身体を起こしラランチアに詰め寄った。


「どういうことなんだ!?昨夜ってまだ6日しか経ってなかったんじゃ?・・・」

「信夫様?・・・もしかして記憶が混乱されてますか?今日は種を植えて8日目の朝です。7日目の昨夜わたしと、その・・・致した後に産まれたのです・・・」


 致した?・・・俺とラランチアが?・・・今日が8日目?え?7日目のラランチアの発情期は?・・・


「何も覚えてねええええええええっ!!」


 絶望からベットの上で立ち上がると、辛うじて俺の股間を隠していたシーツが職場放棄して象さんが姿を現す。


「信夫様!?み、見えてます!!」

「なっ!ななななな・・・」


 羞恥で真っ赤になったラランチアが顔を逸らし、怒りで真っ赤になった水色の髪の女の子が右拳を大きく振りかぶった。

 マズイ!!本能で危機を感じて股間を押さえた俺の手の甲の上から、水色っ子の容赦ない右ストレートがさく裂した!


「なんてもん見せんのよっ!!」


 本当に容赦ない。俺の大事なボールはなんとか一命を取り留めたが、左手の甲は骨折していた。その後ラランチアが骨折箇所を舐めてくれたので無事完治したが。この子苦手だ・・・。




「ほら、信夫様にごめんなさいは?」

「い、いくらご主人さまのお言葉でも、こんな破廉恥なゴミ虫に頭を下げたくありません!」


 少し時間を置き、服もちゃんと着てから話し合いをすることになった。本当に8日目のようで、ラランチアの頭にあったオレンジ色の花が無くなっている・・・。またもやラランチアとのエッチの記憶がない・・・。話によると水色っ子の裏拳で吹っ飛ばされ記憶を失ったようだ。・・・何てことしてくれるんだっ!!

 俺は自室の執務机に着き、二人は机の前に並んで立っている。ラランチアが反省を促すも水色っ子は顔を横に背けて反抗している。ここまでのやり取りで判明したことがある。水色っ子のご主人様は俺じゃない!ラランチアだ!

 ラランチアが産まれた時何と言っていた?


『産まれた瞬間ご主人様・・・信夫様を見て、この人がご主人様だと思ったことです』


 そうだ!これってアレだ!えっと、プリンじゃなく・・・インプリンティング!?生まれて初めて見た動くものを親と思うってやつだ!ラランチアたちは生まれて初めて見た人を「ご主人様」だと思うってことか!?

 ・・・これはもうどうしようもないな・・・。水色っ子のご主人様はラランチアで、そのラランチアのご主人様が俺か・・・。ご主人様のご主人様だけど権限は何もないようだ。


「妹の不始末は姉の責任です。申し訳ありません信夫様」


 諦めたラランチアが床に土下座して俺に謝罪した。


「ちょ!?ラランチア!何もそこまでしなくても・・・」

「ご主人さま!?あたしのためにそんなことをしないでくださいっ!!」


 俺が止めるより早く水色っ子がラランチアの腕を抱いて立ち上がらせる。そのまま俺の罵詈雑言を喚きたてるがラランチアが首を振って嗜める。


「そんなことを言わないでください。信夫様はわたしの大切なご主人様なのですから」

「ご、ご主人さま・・・」


 泣きそうな顔をしていた水色っ子はキッ!っと俺を睨みつけると、のろのろと土下座をして「ごめんなさい・・・」と小さな声で言った。

 すっごいイヤイヤだが一応謝罪してくれたのだからここは大人の対応をすべきだろう。俺は椅子から立ち上がると水色っ子の側まで行き膝をついて手を差し出す。


「謝罪は受け取ったから、さあ立ってくれ」


 顔を上げた水色っ子は目に涙を浮かべて俺の手を見た後視線を俺に向ける。できるだけ優しい笑顔を浮かべて水色っ子を見返すと。


「調子にのるな!このゴミ虫め!!」


 水色っ子は俺の手を払って勢いよく立ち上がると「ご主人さまぁ~」と泣きながらラランチアに抱きついた。


 あかん!仲良くなれる気がまったくしない!

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