まえがき
何十年前だろうか。自分の若さゆえの暴走を歌にして大ヒットしたアーティストがいたが、現代では全くもって流行らないだろう。様々な熱が冷めてきた現代ではそんな行為をすればただの『阿呆』にしか映らないからである。思うに流行すたりというのは『時代』なのだ。そしてこの物語が今の『時代』に沿っているかと言われれば、全くもってそうではない。タッチパネルでピシピシと連絡が取れる現代の世の中で、昭和の頃にあったような黒電話でダイアルをジージー鳴らしながら回すがごとくのすっとろい恋愛物語。しかも様々なノイズが入り混じって、さながら呪いの電話のようだ。つまり、とてつもなく『阿呆』である。そんなものなど見たくないという方々が大半であろうが、そこはぐっと我慢してもらう他ない。こうして既に書いてしまった以上は内容を変えることなどできないのだ。それでもいやだ、という方はしょうがない。お手数ではあるがブラウザの上にある矢印だかバツだかのマークをクリック(スマホならば上だか横だかにスワイプ)して頂きたい。それが賢明な判断というものである。
だがこれだけはわかって頂きたい。スマートフォンであろうが、黒電話であろうが、電話はかけられるのだ。