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<R15>15歳未満の方は移動してください。

僕の親友が僕の幼なじみを寝取ったって言ってきた。~本当にありがとう。死ぬかと思ってたよ。~

作者: 星月葵依

信司(しんじ)、実は俺たち、付き合うことになったんだ。桃菜(もな)はお前につきまとわれて困ってるんだ。信司には悪いが、桃菜と別れてくれないか?」


 昼休みに、僕、信司は小五のクラス替えで仲良くなった(みつる)に、屋上に呼び出され、恋人である桃菜を寝取った、という報告を受けた。それに対して僕は・・・・・・。


「ありがとう!充、大親友だって信じてたよ!」


 感謝の意を述べた。え?おかしいって?そんなことないよ!!僕の幼なじみ、桃菜はちょっと?訳ありなんだ・・・・・・。

 あれは僕が初めて会った、三歳のときの会話。


「はじめまして!もなっていうの!もなといっぱいなかよくしてね!」

「うん!ぼくはしんじっていうんだ!ともだちがきょうだけで10にんもできた!やったぁ!」

「しんじくん!もなとだけなかよくしてっ!」


 どう考えてもヤンデレのセリフだよね。それでも、僕はあのころは純情(ピュア)だったし、一目惚れしたから、つい、こう言っちゃったんだよ。


「しかたないなぁ。でも、すこしはほかのともだちとあそばせてね?」


 これがいけなかった。もう予想できると思うけど、この後は・・・・・・。


「しんじくん!あそぼ!」

「しんじくん!そのことあそんじゃだめ!」

「しんじくん!もなのいえじゃないとこ、いっちゃだめ!」


 このころから怖いよね。でも、やっぱりこのころは惚れ込んでたから、


「しかたないなぁ。」


 なんて言ってしまった。次に印象的だったのは、三年生になったとき。


「なんで信司と一緒じゃないのよ!他の子と仲良くしちゃだめだよ!絶対だからね!休み時間、全部会いに行くから!」


 ホラーじゃん。どっから見ても、ヤンデレじゃん。まあ、そのときは、ヤンデレなんて言葉は知らなかったから、友達に、桃菜がちょっとダメなほうに行ってるかもしれないんだけど、どうしようって相談した。そしたら、次の日、その人は憔悴しきった顔をして、三加瀬(みかせ)さんが怖いから、お願いだから、話しかけないでって言われた。それ以降、僕は友達を作ってない。まぁ、一、二年生のときも作れなかったけど。


 そして、五年生に上がって、桃菜は、男子なら、一人だけ友達を作ってもいいって言ってくれた。だから、充と友達になれたんだ。そこから、充と急速に仲良くなっていった。桃菜も充と仲良くなっていったんだけど、まさか、充に惹かれてくれるなんて。一ヶ月くらい前から、つきまとう回数が少なくなってきていたけれど、充がやってくれたなんてね。


「おい、なんでそうなるんだよ!俺は!信司の彼女の!桃菜を!寝取ったってことになるんだぞ!」

「そんなこと言われても、ヤンデレの桃菜は、はっきり言って、僕にとっては、邪魔な存在だったんだ。」


 そう言うと、桃菜は膝から崩れ落ちた。・・・・・・なぜ?


「いやいや、邪魔とか言っても、幼なじみで彼女なんだぞ?大切だろ?」

「全然?一応質問するけど、僕に友達って何人くらいいると思う?」

「・・・・・・そういえば、俺と桃菜以外で休み時間に話したこと、ないな。」

「それから、僕が教科書忘れたとき、誰が僕に教科書貸すと思う?」

「そりゃあ、隣の・・・・・・桃菜だな。」

「そういうことだよ。」

「いや、意味わかんないから。」


 嘘でしょ?これだけ状況証拠があるのに、分かってくれないの?


「桃菜は、俗に言う、ヤンデレって言うやつで、僕の動きを制限していたんだよ。友達は充以外にいないし、休日はずっと一緒だし。はっきり言って、迷惑だったんだ。でも、充のことが本気で好きになったんでしょ?多分、本気じゃない僕だからヤンデレ発揮させてたんだよ。」

「ヤンデレってなに・・・・・・?」


 おおう。急に桃菜が入ってきた。


「ヤンデレって言うのは、相手のことが好きすぎて、あるいは、疑い深すぎて相手のことを束縛しちゃう性癖?みたいなものだよ。」

「それが、私だったの?」

「うん、そう。」

「そん、な・・・・・・!」

「おい、ちょっと桃菜。こっち来い。」


 充がそう言って、桃菜を連れていった。


「悪いが信司、ここで待っててくれ。すぐ戻る。」


 いや、忘れてるかもしんないけど、今、真冬の屋上だよ?中学受験組が必死に勉強してる時期だよ?すごく寒いんだけど?・・・・・・すぐって十秒か。ならいっか。


「信司!ごめんなさい!」

「え?」

「信司のことをそんなに束縛してるなんて感じてなかったの!もう、束縛しないから、私のことを捨てないで!」

「は?」

「悪い、信司。桃菜に協力して欲しいって言われたんだ。」

「え?意味が分からないんだけど。」

「なにも察してないみたいだから、一から説明するな。」


 そして、充はすべてを教えてくれた。一ヶ月くらい前、僕が桃菜のことをどう思ってるか、知りたくなったこと。そして、自分が充に惚れて、そっちに行ったらどう反応するかで、判断しようとしたこと。充は、僕はベタ惚れだと思ってそれを受けたこと。ヤンデレに嫌気がさしてたとか、まず、ヤンデレだったとは知らなかったこと。本人も自覚がなかったこと。


「嘘でしょ?」

「マジだ、マジ。」

「本当にごめんなさい!なんでもするから!なんでもするから、私を捨てないで!!」

「何でも?」

「うん!何でも!どんな欲求でも聞くから!私と付き合ったままでいて!私と結婚して!」

「結婚は一八歳以上からしかできないと思うけど。」

「一八歳になったら結婚ってこと!私のこと、束縛してもいいから!私を捨てないで!」


 ヤバい。ヤンデレ怖いって思ってたのに、僕に涙目・・・・・・っていうか、泣いてるんだけど、そんな目で上目遣いって、ちょっと、いや、めちゃくちゃ心が揺さぶられるんですけど!?


「私に何してもいいんだよ?そ、その、エッチなことでも、していいんだよ?」

「うっ。」


 そりゃ、僕だって、思春期の小学生・・・・・・こんな言葉、あまり聞かないなぁ。性的なことに興味を持ち始める年ごろ。そんな誘惑に勝てるわけが・・・・・・いや、勝って見せる!


「そんなことには興味ない!」

「ほんと?」

 

 むにっ。rfwhsfdjkvlmzrhfwhshdjslk!?桃菜さん!?


「顔真っ赤にして、それに、その、下の方、張ってるよ?」

「うわぁぁぁぁぁ!?」


 ズルい!卑怯!!ヤンデレだけど、見た目はめちゃくちゃ好みなんだよ!!それなのに、性格が変わっちゃったら、僕、惚れるよ!?惚れちゃうよ!?・・・・・・容姿には惚れてるんだった。


「ね?お願い!!何でも言うこと聞くから!ね!?」


 それに対して、僕は、


「仕方ないなぁ。僕も、思ったことは直で言うようにするね?」

「うん!」

「なんだ、これ。結局ハッピーエンドじゃん。リア充爆発しろ。」

 

 屋上の入り口の方から充のそんな声がした。安心しろ。充に惚れてるやつなんて、クラスにめちゃくちゃいるぞ。


「俺も日下(くさか)さんと付き合いたいなぁ。」


 あの"図書室の住人"って呼ばれてる日下さんが好きなのか。以外だなぁ。でも、日下さん、確か、充にベタ惚れだったと思うけど。まぁ、言わないけどね。


「信司、今日、信司の家、行っていい?」

「もちろん。」

「やった!」


 この後、桃菜はすっかり別人のようになった。・・・・・・だけど、僕に尽くしたり、撫でられたり、ボディータッチしたりすることにハマってしまい、可愛すぎて僕の心臓が持ちそうにない。どうしよう!

 いかがだったでしょうか?面白いなぁって思ったら、是非、下の評価の☆を、5つ塗ってください!皆様の評価、ご感想、お待ちしております!


 この作品は、別作品でちょこっとだけ出した信司が主人公です。そのため、充に関しては、そっちでちょこっとだけ登場させた後、短編として、あるいは、そっちの作品で、成就させてあげたいと思います。

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