#0 プロローグ
オンラインRPG「ディバインソードサーガ」。
こ突如DC社と呼ばれる無名の会社からリリースされたのは最近の話だ。
このゲームはスマートフォンとVRゴーグルを使って遊ぶゲームでどこでも遊べる手軽さが売りとなっており、様々な人に遊ばれている。
端末は操作デバイスとして扱われるため、同じくDC社から販売されている専用のゴーグルがなければゲームの世界へ飛び込むことができない。
「しかしこのゲームは謎が多いんだよな」
「謎?」
「ああ。どこにでもあるファンタジー。どこにでもある世界。そしてどこにでもあるオンラインゲーム」
「それのどこが謎なんだよ」
「今の御時世、それだけで大人気になれると思うか?しかも専用のゴーグルまで必要だ。市販のじゃ遊べないってのもな」
ゲームのデバッグをしながら話す一人の青年。片手間にスマートフォンを眺めながらそんな話をする。見ているのはディバインソードサーガの特集だ。
「そうかぁ?逆にそれだけ普通のゲーム作りきってるってのは凄いことだと思うぞ?今デバッグしているこいつは何度も企画変更をしてよくわからんゲームになってるのを見ると凄いって感じちゃうけどな」
「そいつは隣の芝生は青い理論だって」
そんな談笑をしながら二人はデバッグをこなしていった。
……ディバインソードサーガを絶賛した男は数日後、行方不明になった。