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始まり
(すでにもう、気づいている。あの人は・・・)
(でも、手遅れ。君の負けだよ)
そして・・・、そいつは、いつもの儀式を行った。
◇ ◇ ◇
「魔法少女って、いると思う?」
突然の彼女の言葉にマンガみたいにコーヒーを噴き出してしまった。手にもって読んでいた文庫本にコーヒーがかかり、ページが黒くなる。やばい、怪しまれてしまうか。
「どっ、どうしたの?大丈夫?」
「なっ、何でもないよ、山吹さん。この本の展開があまりに愉快で思わず吹きだしてしまっただけだよ」
咄嗟に適当な言い訳をする。普段僕がそんなオーバーな反応をしないため、追及してくるかと思ったが。
「ふぅ、良かったー。急性コーヒーアレルギーになってこのまま死んでしまうんじゃないかと思ったよー」
なんだその病気は。しかもそんなのほほんとした口調で恐ろしいことをよくも言ってくれたもんだ。緊張感の欠片もない。
でも、彼女がゆるふわマイペース電波系で助かった。
どうして僕が彼女の質問にこれほど慌てたのか。
それはつい3日前、魔法少女になってしまったからである。




