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パンツマン~境心一は今日も、パンツを信仰しています~  作者: 友城にい
第二話 イヴのパンツは、いいパンツ~♪ すごいぞぉ~♪
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 寒風が並んで歩く、ぼくとイヴの首筋を舐めた。


「おー……さすがにこれは堪えるねぇ。ねぇ、イヴ――冷たいっ!」


 自分でもレアな世間話を交わそうとしたら、急にイヴが冷えた手のひらをぼくの頬に当ててきた。

 と、


「心一。これ、やるわ」


 ぶっきら棒に、バッグからぼくの髪の毛と同じ色をしたマフラーを取りだしてきた。


「くれるの? どうして?」

「なんでもいいでしょ。ほら」


 ただただ疑問に感じていたぼくの胸元にマフラーを押しこんでくる。ぼくは仕方なしに受け取ることにする。

 よくできているこのマフラーは、先ほどまでイヴが部室でせっせと編んでいたマフラーだ。しかし、ぼくの記憶が正しければ、イヴはマフラーを完成させてなかったはずなんだけど。まあ、いいか。

 そんな些細なことよりも、


「待望のデレ期キター」

「ち、違うわよ。受験生なんだから、喉を痛めでもしたら大変だとおもって」


 視線を逃がしつつ、必死に弁明しようとするイヴ。

 ぼくにしてみたら、大好物なわけでそれをにまにました顔で見ていると、


「要は風邪でも引かれたら、こっちが調子狂っちゃうのよ。気をつけなさいよね」


 参考書でも熟読したかのようなツンツン発言をし終えるや、イヴは先を行く。

 とりあえずせっかくの女の子からのプレゼントだし、好意に甘えるとしてマフラーを首に巻いた。うん、ほのかにわかるイヴの匂いと、ぬくもりが。


「ちょっと待ってよ。イヴってば、あ、やば」


 追いかけようと踏みこんだところが、水たまりかなにかが凍っていたらしく、ぼくは足を滑らせた。

 咄嗟にコケるのを免れようと、最寄りのものに両手を伸ばし掴んだ。


「え、え、心一、あんたどこを引っ張って、ひゃっ!」


 しかし、重力に逆らえず結果的に二人とも道路に倒れてしまった。


「いてて……ごめんね、イヴ。どうやら氷張ってたみたいで」


 前を見るとイヴが、仰向けで倒れこんでいた。膝を立てて、なんともまぬけなポーズを取らされている。パンツに突っこむとは、ぼくもずいぶんと成長したもんだね。

 それよりも、両手で掴んだものが異様にホクホクと生温かい。ぼくは視界を下に落とし、現物を確認した。


「おやおや。イヴ、今日はピンクの縞パンだったんだね。それでやけに、デレ気味だったのかな、納得。女性は、パンツでその日の気分が決まると言っても過言じゃないからね」


 本能とはときに怖いものだ。ぼくはこともあろうことか。無意識とはいえ、突っこむだけじゃなく、足首までパンツをもぎかけていた。

 イヴのパンツが見れて、悦に浸っているぼくに、おもむろに上半身を起こしたイヴが、


「言い残したことはあるかしら?」

「え? えっと……」


 死のカウントダウン数秒前。ぼくはあることを思いだして、視線を奥に進める。

 少したくしあがっていた開放感満載なスカートの中身が顔を覗かせていたので、つい感想を述べたくなってしまって、


「へぇー、こういうふうになってるんだ。それとやっぱり、生えてな――むげっ!」


 四つん這いのぼくに、イヴが容赦なくギロチンチョップを繰りだした。

 的確に訓練をこなした兵士のごとく、ぼくを確実に落とす。さすがイヴだね……。

 沈み、消えゆく聴覚に最後に入ってきたのは、


「心一の記憶を、抹殺する――」


 ぼくの意識は遮断され、気づいたときは全裸で雪だるまに埋められていたとさ。


最後は露骨でしたでしょうか。

次回は5月13日、夜中になります。


友城にい

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