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パンツマン~境心一は今日も、パンツを信仰しています~  作者: 友城にい
第二話 イヴのパンツは、いいパンツ~♪ すごいぞぉ~♪
12/22

 人生パンツ色――

 だったらいいのにねぇ。

 そう思わない?

 パンツは平和の象徴だし、パンツが好きな人に悪い人はいないし。やっぱりパンツこそ至高。パンツこそが、ぼくの求め続けていた最高にして、人生のテーマなのさ。


 なんでかって?

 うーん。よし。教えよう。パンツを――。

 ぼく。境心一はこの世に生を宿すや否や、「エロ」を知る異端児だった。

 軽く例をあげれば、幼稚園生時代。

 皆がお遊戯に熱をあげているあいだ、つねに寝っ転がり、スカートから覗く白い布地を観察することがぼくの日課だった。

 外に出れば、ジャングルジムの下で待機し、女の子が上った真下でずっと見上げていた。

 すべり台も悪くないね、と階段下とか、すべりの下で待機していたが、一度ケガしたから、やめたっけ。


 だが。

 パンツの宝箱――

 ぼくはそう異名で呼んでいる。

 数あるパンツの聖地で、群を抜いての「鉄棒」は、ぼくの中でも王道を走った。

 眺めているだけで、パンツが見れて。目を開けていれば、あられもない姿が視界に飛びこんでくる。遊具界の英雄が現役で目の当たりできる。

 至近距離から拝みたいときは、砂場が絶好のスポットだった。

 お山やら蟻地獄を作っている最中に、さりげなく顔を近づけることが自然にできるのである。


 そんなこんな自由奔放に振る舞っていた、ある日のお昼寝の時間。となりの可愛い女の子からの好意らしきものに気づいた。

 ぼくは、恥をかかせまいと知識が豊富だったのもあり、当然ながら×××なことをした。

 このときからそうだった。なにかが違う、と。ぼくが好きなのはパンツであって、それに相当する女性の身体であって、決してそっちに興味がそそらない。


 それは今現在でも変わらない。

 ぼくが小学校高学年になるころ。いまさら保健の授業――つまり性教育。

 これにより、男女間に溝ができたのである。由々しき事態かもしれないが、幾分気にするような出来事でもない。


 要は、はじまりなのである。

 互いを気にすることで刺激し、高めあい。身だしなみを向上させる。結果。パンツに洒落っ気が出て、バリエーションが豊富になる。素っ気ないものから卒業し、色気や露出に磨きと手間をかけだしたのだ。

 母親や姉が近くにいれば、真似て背伸びをしたくなるのが女子の性。

 下に体操着を穿く女子も急増したけど、問題はなかった。

 布面積の小さな、年相応の勝負パンツと呼べない過激なパンツを穿いてくる、おませな女子。それをめくるのが楽しい。反応もグーンと変わって、興奮した。顔を真っ赤にして、教室から出ていくんだもん。


 心の成長と一緒に、恋なるものも自覚を新たになる。

 恋愛初心者だから、いったいどこから仕入れてきたのか、ぎこちない。見よう見まねのやり方。雰囲気だけ一人前の誘惑をかもし、大人顔負けの行動力。

 清水の舞台から飛び下りる気持ちで、告白するおませな女子。

 鈍感な男どもでも、魚心あれば水心。そんな一歩踏みださせるイベント。性教育はすごい。素直に感心していた。


 しかし女心と秋の空ということわざがあるみたいに、そこまで発展しないのが、いわゆる子ども。

 流行のようなラッシュの波は、ぼくにも当然のごとく漂流してきた。が、前述したとおり、そっち方面に目も暮れず、パンツに興じるのだ。

 いつもいつでも、一番近くでぼくを昂らせてくれるパンツ。

 リズムに乗って、ステップを踏んで、チラリ覗かせて、こんにちは。

 しゃがんで、煽って、めくって、センセーション。

 それだけで、楽しかったし、嬉しさで胸が躍っていたぼくのパンツな日常。


 とくに小学生最後のホワイトデーの日。

 同級生の小学生パンツを見収めにしようと、ぼくも卒業パンツで終わりを締めくくった。

 クラスでも目立って可愛い子四人に、全財産と卒業式とパーティーに出席しないことを条件で、四人同時に見上げアングルでパンツを拝ませてもらったときだ。

 あれはよかった。

 いまだに冷凍バナナになれる。


 やはりいい、パンツは。幸せな気持ちになれる。

 好きなものを好きで、一心不乱に追いかけた者が勝つ。そう信じられるね。

 だからぼくは、パンツを信仰し続けます。いままでも、いまも、これからも――。


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