~焔~ 3
“ク…クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!”
魔族がやけになってエネルギー体を連続で打ちまくってくる…が
「はぁ、無駄だってーの」
それをなれた様な手つきで全て防ぐ
「そろそろ反撃…だっっっ!!」
そういうと野球ボールサイズの焔炎球を魔族に投げつけた
“バカめぇ!こんな小さな火の玉が俺様に効くかぁぁ!!”
そういうと飛んでくる焔の球を左手で止めようとする
「バカはどっちだ、それは〝火〟じゃねぇ…〝焔〟だ」
ファイの焔の球が左手に触れた瞬間、そこから進行方向に火柱が放出した
“ぐおおおぉぉぉぉぉぉ…お、ぉぉぉ…”
魔族は塵になって消えていった
「おぉ…」
俺は思わず見入ってしまっていた
「すっげぇぇ!!!」
「ふぅ…」
これなら勝てる!…そう言おうとしたとき
“ほう”
後ろからこえが聞こえた
“そっちのお前はなかなか筋がいいな”
後ろをを振り向くとそこには見るからに将軍な魔族が飛んでいた
その両脇には50近くの魔族が武器を構えて見下してくる
「な、なんだこの数!?」
「ハハッ、さすがに多いな」
そんな俺達のこえなんて聞こえていないかのような無表情のまま、俺達に指を突き付けて
“一陣、行け”
その合図で左右から5人ずつ雄叫びをあげてこっちに飛んでくる
「守ってやる自信はないけど?」
にやっと笑いながら皮肉の意をこめて俺に言う
「まぁ、まかせろ!」
「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」
――――――――――――――――
“ほぅ”
20分程かかってようやく一陣と呼ばれる奴等をやった
くそ、二人がかりで5人にこんなに苦戦しててはあんな数は倒せないぞ…
“ほら、行け第ニ陣”
そう言うと今度は左右から10人、合計20人の魔族が襲ってくる
「やってやるよぉぉぉ!」
俺は雄叫びをあげながら突っ込んでいった、
それがどれだけ後悔してもしきれない行為だったのか…直後に痛感する
「ばかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「え?」
ファイが俺の前に壁のように立ち塞がる
「ぐぉあぁっっ!!!」
ファイの口からでた赤い液体が俺にかかる
血
何が起きているか、全く把握できない
さっきまで…あれ?何故だ、どうして?え?ファイ…?
どうして俺の足元で横たわっているんだ!?
「ファァァァァァァイ!!!」
“庇ったか…バカめ”
よく見るとファイの背中が見るも無惨な、ドス黒く、血だらけだった
“貴様が前も上も見ずに突っ込んでくるからだな。俺の攻撃から庇って死んだか”
死んだ?死んだだって?
「うぅ…」
「ファイ!!!」
ファイが目をこちらにむけてくるが、その目はもう光が消えかかっていた
「フロウガ…ちゃんとまわりを見ろって何回もいってただろう。ったく、ほんと前しか見てねぇんだからよぉ」
ファイが必死に語りかけてくる、正直こんなよわよわしい声なんて聞きたくないのだが、さすがに耳をそらすことはできなかった
「俺は、こんなんだから…お前みたいに熱い奴は正直うざかったが、うれしくもあった。つい冷たい態度をとってしまってもお前はいっしょにいてくれた。俺はお前のそんな〝長所〟に救われたよ」
もうしゃべるな…とも言えなかった。きっと心のなかでもう手遅れだとわかっていたのだろう
ファイの目から涙が流れる
「もっと…もっとお前といたかった!こんなところで!きゅうに来たわけのわからん奴に殺されただなんて!悔やんでも悔やみきれない!」
必死に、ぼろぼろ泣きながら…必死に
「俺の力をお前に託す!これで少しは特攻型も使えるだろう…」
そういうと手を前にだす。
握るとたしかにファイの力がからだに流れ込んでくるようだった
「じゃあ…お別れだ」
そう言ってファイから力、体温、命が消えていった